米国から日本へ連れ去られた子(被拘束者:13歳)の釈放を求めた人身保護請求の上告審で第1審判決を破棄し,高裁に差し戻した事案。
名古屋高等裁判所判決/平成30年(人ナ)第4号
平成30年7月17日
人身保護請求事件
【判示事項】 米国から日本へ連れ去られた子(被拘束者:13歳)の釈放を求めた人身保護請求の上告審で第1審判決を破棄し,高裁に差し戻した事案。
差戻審は,子は来日する11歳3か月まで米国で過ごし,来日後は母親(拘束者)に依存して生活をせざるを得ない状況下で,母親は確定した返還決定及びその代替執行に激しく抵抗するなど,子に不当な心理的影響を及ぼしていると認め,子が自由意思に基づいて母親の下に留まっているとはいえない特段の事情があるとして,母親の子に対する監護は人身保護法の「拘束」に当たるとした上で,2年近くが経過し,子が日本の生活に順応したことなどは実施法117条1項の事情の変更に当たるとはいえず,米国に戻ることにより子の心身に害悪を及ぼすとは認められないとして,母親の拘束を違法とし,子を釈放して,父親(請求者)に引き渡すことを命じた事例
【参照条文】 人身保護法2
人身保護規則3
人身保護規則4
人身保護規則5
【掲載誌】 判例時報2398号87頁