多数の死傷者を出した炭鉱のボタ山崩壊事故につき、鉱業代理人の過失が認められた事例 福岡高等裁判 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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多数の死傷者を出した炭鉱のボタ山崩壊事故につき、鉱業代理人の過失が認められた事例

 

福岡高等裁判所判決/昭和38年(う)第849号

昭和41年9月5日

業務上過失致死傷

【判示事項】    多数の死傷者を出した炭鉱のボタ山崩壊事故につき、鉱業代理人の過失が認められた事例

【判決要旨】    炭鉱のボタ山が崩壊して土砂が下方の炭鉱住宅に押し寄せ多数の死傷者を出した事故について、事故の原因の一つにボタ山中腹からの大量の地下水の噴出があり、ボタ山の崩壊が大量、かつ、非常に速いものであったとはいえ、鉱山保安法上の保安責任者である鉱業代理人には、事前にボタ山の崩壊を予見することが可能であったから、炭鉱住宅居住者に対し警戒ないし避難の処置を採らなかった過失があるというべきである。

【掲載誌】     刑事裁判資料233号381頁