明石海峡航路北側の航路外で西に向かう甲船と東に向かう乙船が衝突した事故について,海技士である甲船の船長を戒告とした高等海難審判庁の裁決が適法であるとされた事例
最高裁判所第3小法廷判決/平成20年(行ヒ)第166号
平成22年11月30日
裁決取消請求事件
【判示事項】 明石海峡航路北側の航路外で西に向かう甲船と東に向かう乙船が衝突した事故について,海技士である甲船の船長を戒告とした高等海難審判庁の裁決が適法であるとされた事例
【判決要旨】 霧による視界制限状態にある明石海峡航路屈曲部北側付近の航路外で西に向かう甲船と東に向かう乙船が衝突した事故について,同事故は,航路内を航行していた甲船の船長が,航路屈曲部に設置された灯浮標を見落としたため屈曲部に沿って左に転針することをせず,レーダーにより前方に乙船を探知しながらその動静監視を十分に行わず,乙船と著しく接近する事態を避けることができなくなったのに,針路を保つことができる最小限度の速力に減ずることも必要に応じて行きあしを止めることもせずに進行した職務上の過失により招いたものであること,両船舶に損傷が生じ乙船の乗組員2名が傷害を負ったこと,乙船の船長も職務上の過失があるとして戒告の裁決を受けていることなど判示の事情の下では,海技士である甲船の船長を戒告とした高等海難審判庁の裁決は適法である。
(補足意見がある。)
【参照条文】 海上交通安全法15
海上衝突予防法9-1
海上衝突予防法19-4
海上衝突予防法19-6
海難審判法(平20法26号改正前)4-2
海難審判法(平20法26号改正前)5-1
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事235号117頁
裁判所時報1520号305頁
判例タイムズ1339号45頁
判例時報2102号3頁