元労働大臣が資金調達をめぐって行った業務上横領、詐欺及び背任並びにこれらに関する議院証言法違反の | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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元労働大臣が資金調達をめぐって行った業務上横領、詐欺及び背任並びにこれらに関する議院証言法違反の事案につき懲役4年の実刑を言い渡した事例

 

東京地方裁判所判決/平成7年(刑わ)第2600号

平成12年3月16日

業務上横領、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反、詐欺、背任被告事件

【判示事項】  1 元労働大臣が資金調達をめぐって行った業務上横領、詐欺及び背任並びにこれらに関する議院証言法違反の事案につき懲役4年の実刑を言い渡した事例

2 議院証言法違反罪において、議院の告発の内容となっていない陳述に対しても告発の効力が及ぶとした事例

3 海外事業に対する預託金名下に多額の金員を出資させた事案について、詐欺罪の成立を認めた事例

4 業務上横領罪において、客体としての土地の他人性、その占有権限について判断した事例

5 信用組合からの借入に関して、貸主でも借入名義人でもない者に背任罪の共同正犯の成立を認めた事例

【参照条文】  刑法(平7法91号改正前)253

        刑法(平7法91号改正前)246

        刑法(平7法91号改正前)60

        刑法(平7法91号改正前)65-1

        議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律6

【掲載誌】   判例タイムズ1060号114頁

        判例時報1723号147頁

       主   文

 被告人を懲役4年に処する。

 未決勾留日数中100日を右刑に算入する。

 訴訟費用中、証人I、同F、同J子、同K、同L、同M、同N及び同Oに支給した分は被告人の負担とする。

【解説】

 1 本判決は、元衆議院議員で、労働大臣を務めたこともあった被告人が、議員在職中に犯した判示の各事実に対して、懲役4年の実刑判決を言い渡したもので、起訴当時から世間の耳目を集めていた事件に対する判決である。

 事案の概要は、被告人が、財団の常務理事の地位にあった被告人の秘書らと共謀の上、資金融資を得るために、1億8000万円の財団名義の定期預金証書を金融機関に交付して質権を設定し、これを横領したという業務上横領の事案(判示第1の1)、衆議院予算委員会において右の事実等につき宣誓の上虚偽の陳述をし、偽証したという議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反の事案(判示第1の2)、被告人の秘書と共謀の上、被告人がアメリカに設立を企画していた国際大学建設等の海外事業に関して、虚偽の説明等をして学校法人理事長らを欺罔し、その学校法人から1億6900万円を詐取したという詐欺の事案(判示第2)、義兄である財団理事長らと共謀の上、資金融資を得るため、財団所有の時価約2億2000万円相当の土地に根抵当権を設定してその登記手続を行い、これを横領したという業務上横領の事案(判示第3)、2つの信用組合の代表理事や実姉と共謀の上、各代表理事の任務に違背して、両組合から実姉が代表取締役を務める会社に対し、総額27億円を超える巨額の不正貸付けを行い、両組合に同額の財産上の損害を与えたという背任の事案(判示第4の1及び2)というものである。