東北大震災による津波によって原告の妻Aが死亡したのは,気象庁が発表した津波情報が予想される津波の | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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東北大震災による津波によって原告の妻Aが死亡したのは,気象庁が発表した津波情報が予想される津波の高さを過小に発表し,また被告陸前高田市(被告市)が津波に関する情報を住民に周知するに足りる設備を備えず,これを周知しなかったためであるなどとして,被告国及び被告市に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案。

 

盛岡地方裁判所判決/平成26年(ワ)第48号

平成27年2月20日

損害賠償請求事件

【判示事項】    平成23年3月11日,三陸沖を震源として発生した東北地方太平洋沖地震による津波によって原告の妻Aが死亡したのは,気象庁が発表した津波情報が予想される津波の高さを過小に発表し,また被告陸前高田市(被告市)が津波に関する情報を住民に周知するに足りる設備を備えず,これを周知しなかったためであるなどとして,被告国及び被告市に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案。

裁判所は,気象庁職員に職務上の法的義務違背があったということはできず,被告市の設備等が不十分であったと評価できるような事実を認めるに足りる証拠はないなどとして,請求を棄却した事例

【参照条文】    国家賠償法1-1

          気象業務法(平成23年法律第124号による改正前のもの)13

          災害対策基本法(平成23年法律第37号による改正前のもの)42

          災害対策基本法(平成23年法律第37号による改正前のもの)51

          災害対策基本法(平成23年法律第37号による改正前のもの)56

          災害対策基本法(平成23年法律第37号による改正前のもの)60-1

          災害対策基本法(平成23年法律第37号による改正前のもの)62-2

【掲載誌】     判例時報2268号91頁