公共工事の発注者が同工事の受注者に対する違約金債権および余剰前払金返還請求権を自働債権とし、同受 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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公共工事の発注者が同工事の受注者に対する違約金債権および余剰前払金返還請求権を自働債権とし、同受注者から公共工事代金信託契約に基づき発注者に対する請負代金債権の信託譲渡を受けた受託者に対する当該請負代金債権を受働債権とする相殺がその後に受注者に破産手続が開始された場合において認められた事例

 

東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第20016号

平成28年6月2日

損害賠償等請求事件

【判示事項】    公共工事の発注者が同工事の受注者に対する違約金債権および余剰前払金返還請求権を自働債権とし、同受注者から公共工事代金信託契約に基づき発注者に対する請負代金債権の信託譲渡を受けた受託者に対する当該請負代金債権を受働債権とする相殺がその後に受注者に破産手続が開始された場合において認められた事例

【判決要旨】    公共工事の発注者が同工事の受注者に対する違約金債権および余剰前払金返還請求権を自働債権とし、同受注者から公共工事代金信託契約に基づき同受注者の発注者に対する請負代金債権の信託譲渡を受けた受託者に対する当該請負代金債権を受働債権とする相殺は、その後に受注者に破産手続が開始された場合においても、その自働債権の取得は破産法72条2項2号に定める「支払の停止等があったことを知った時より前に生じた原因に基づくとき」に該当するため、破産法72条1項2号・3号の相殺禁止の適用を受けず、また、発注者において、受注者が倒産する事態に備えて、あらかじめ、違約金債権および余剰前払金返還請求権と工事代金債権とを相殺できることを受注者との間で合意して発注者への損害の波及を防止することを企図し、具体的な相殺期待を有していたといえる判示の事実関係のもとにおいては、これを認めることができる。

【参照条文】    破産法72

          民法467

          民法468

          信託法29

          信託法30

【掲載誌】     金融法務事情2054号60頁