欺罔による金銭消費貸借契約であると知りながら,同契約に基づく債務について連帯保証契約を締結した破産者の行為が,「破産者が悪意で加えた不法行為」に当たるとはいえないとされた事例
神戸地方裁判所明石支部判決/平成17年(ワ)第136号、平成17年(ワ)第235号
平成18年6月28日
貸金請求事件、更正登記手続請求事件
【判示事項】 欺罔による金銭消費貸借契約であると知りながら,同契約に基づく債務について連帯保証契約を締結した破産者の行為が,「破産者が悪意で加えた不法行為」に当たるとはいえないとされた事例
【参照条文】 破産法253-1
【掲載誌】 判例タイムズ1229号339頁
主 文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
【解説】
1 訴外Aは,第1種知的障害者と認定されているB(Yの兄)になりすまし,貸金業者であるXとの間で金銭消費貸借基本契約を締結した。Yは,同契約から生じる債務について連帯保証契約を締結した。約定の支払期日を過ぎても,Aが弁済をしなかったため期限の利益を喪失したとして,Xは前記連帯保証契約に基づき,Yに連帯保証債務の履行を求めたが,Yは,平成16年10月13日に破産宣告を受け,平成17年3月11日に免責決定を受けてこれが確定したことにより,Xの主張する連帯保証債務については免責されたと主張して支払を拒んだ。そこで,Xは,Yに対し,主位的に連帯保証債務の履行を求め,予備的に,YがAと共謀して,AがBであるものとXを欺罔して金銭消費貸借契約を締結させて金銭を借り受け,その弁済をせずにXに損害を与えたとして,不法行為に基づく損害賠償の支払を求めた。