会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求の理由が具体的であると認められた事例
東京高等裁判所判決/平成26年(ネ)第4543号
平成28年3月28日
会計帳簿閲覧請求控訴事件
【判示事項】 1 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求の理由が具体的であると認められた事例
2 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求者に別件訴訟の証拠とするため等の言動があったとしても会社法433条2項1号所定の拒絶事由があるとは認められなかった事例
3 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求の理由との関係ですでに必要な会計帳簿等の開示を受けていることを理由に会社法433条2項2号所定の拒絶事由があると認められた事例
【判決要旨】 1 会計帳簿の閲覧謄写の請求について、請求者の主張する請求の理由が、①関連会社に対する会社の不必要または不適切な財貨の移動がされていないかを確認する必要がある、②会社の代表取締役に対する責任追及を行う必要がある、③取締役の利益相反取引の有無を明らかにする必要があるというものであったと認められる判示の事実関係の下においては、その請求の理由はいずれも具体的であると認めることができる。
2 会計帳簿の閲覧謄写の請求について、同請求権を被保全権利とする仮処分事件の申立て段階で、請求者に別件訴訟の証拠とするため等の言動があったとしても、同仮処分事件で、会社の取締役の責任追及の準備、取締役の利益相反取引の有無を調査する必要などを主張していたと認められる判示の事実関係の下においては、会社法433条2項1号所定の拒絶事由があると認めることはできない。
3 会計帳簿の閲覧謄写の請求について、請求の理由との関係ですでに必要な会計帳簿等の開示を受けていると認められる判示の事実関係の下においては、更に他の会計帳簿の閲覧謄写を求めることは、不必要に多数の会計帳簿の閲覧謄写を求めるものであって、会社法433条2項2号所定の拒絶事由があると認めることができる。
【参照条文】 会社法433-1
会社法433-2
【掲載誌】 金融・商事判例1491号16頁