信託銀行において,法的な義務を負担するのではないにもかかわらず,相続発生時には,売主において,購入価格で買い取るという制度があると説明をしながら,相続発生時に売主に購入価格で買い取らせることをしなかったのは,説明義務に反するとされた事例
東京地方裁判所判決/平成12年(ワ)第11810号
平成14年7月26日
損害賠償請求事件
【判示事項】 1 信託銀行から不動産共有持分の購入資金を借り入れて,不動産会社から共有持分化された事業建物の持分権を購入し,これを11年間信託銀行に信託するという仕組みの不動産小口化商品について,信託銀行は,同商品は不動産投資であることが明らかであるから,元本保証がないことや信託終了時に地価が下落する可能性があることについて,説明する義務はない
3 信託銀行において,不動産市況が低迷したときに,上記不動産小口化商品の顧客の損害拡大を防止する義務は負わないが,委託者兼受益者を平等に扱う義務を負うから,受益権の中途売却を認め,買主を紹介するようになって以降は,すべての委託者兼受益者について,受益権の譲渡を行う機会を与えなければ平等義務に反する
【参照条文】 民法415
民法709
信託法
【掲載誌】 判例タイムズ1212号145頁