業務主でない納税義務者の代行者が脱税の不正行為を行った場合と相続税法71条1項両罰規定による行為者処罰の可否(積極)
大阪高等裁判所判決/昭和61年(う)第399号
昭和62年3月17日
相続税法違反被告事件
【判示事項】 業務主でない納税義務者の代行者が脱税の不正行為を行った場合と相続税法71条1項両罰規定による行為者処罰の可否(積極)
【参照条文】 相続税法71-1
相続税法68
【掲載誌】 判例タイムズ639号246頁
判例時報1247号142頁
【解説】
1、本件は、兄の相続税の申告の代行をするにつき、不正行為をした被告人を、相続税法71条1項の両罰規定の適用により処罰することの可否が争われた事案である。
原判決は、これを積極に解したが、控訴趣意は、「納税義務者本人」である兄が業務主でなかった点をとらえ、右両罰規定は、業務主の従業者が業務行為に関し、不正行為をした場合に監督上の過失があった点に処罰の根拠があり、その処罰の対象は業務主及びその従業者に限られるべきである旨主張した。
これに対し、本判決は、右規定をそのように限定して解釈する必要はないとし、原判断を是認したものである。