成年後見等の事件紹介及び候補者推薦、司法書士会員への監督指導などを行っている公益社団法人が、会員に対して、担当する成年後見等事件につき業務報告を求めることは、司法書士の秘密保持義務や個人情報保護法等の規定に違反せず、成年被後見人等のプライバシー権等を侵害しないなどとして、報告義務違反を理由に当該会員に対してされた除名処分等が有効であるとされた事例
東京高等裁判所判決/平成30年(ネ)第3114号
平成31年3月14日
差止等請求控訴事件
【判示事項】 成年後見等の事件紹介及び候補者推薦、司法書士会員への監督指導などを行っている公益社団法人が、会員に対して、担当する成年後見等事件につき業務報告を求めることは、司法書士の秘密保持義務や個人情報保護法等の規定に違反せず、成年被後見人等のプライバシー権等を侵害しないなどとして、報告義務違反を理由に当該会員に対してされた除名処分等が有効であるとされた事例
【判決要旨】 成年後見等の事件紹介及び候補者推薦、司法書士会員への監督指導などを行っている公益社団法人が、会員に対して、担当する成年後見等事件につき業務報告を求めることは、司法書士法24条の秘密保持義務その他同法による司法書士の義務、個人情報保護法16条1項等及び障害者権利条約12条2項のいずれにも違反せず、成年被後見人等のプライバシー権及び自己決定権、司法書士の営業権及び業務遂行権を侵害するものではない。
【参照条文】 司法書士法2
司法書士法23
司法書士法24
個人情報の保護に関する法律16-1
個人情報の保護に関する法律17-2
個人情報の保護に関する法律23-1
個人情報の保護に関する法律23-5
障害者権利条約12-2
民法709
【掲載誌】 登記情報697号66頁