被告から本件建物を賃借していた原告が,建物に設置された窓,サッシの断熱性能が著しく劣るため結露が | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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被告から本件建物を賃借していた原告が,建物に設置された窓,サッシの断熱性能が著しく劣るため結露が大量に発生したとして,賃貸借契約上の債務不履行責任に基づく損害賠償の支払を求めた事案。

 

東京地方裁判所判決/平成29年(ワ)第18097号

平成30年2月16日

損害賠償請求事件

【判示事項】    被告から本件建物を賃借していた原告が,建物に設置された窓,サッシの断熱性能が著しく劣るため結露が大量に発生したとして,賃貸借契約上の債務不履行責任に基づく損害賠償の支払を求めた事案。

裁判所は,省エネ基準に適合しないとする原告主張につき,省エネ基準はエネルギー政策上の観点からの規制で,私法上の契約で,合意などない限り,省エネ基準の適合が債務の内容になることはなく,本件においても合意の形跡はうかがわれず,被告が賃貸人として省エネ基準に適合する建物を賃貸する義務を負っていたとは言えない,本件窓,サッシは一般的な仕様の製品で性能が著しく劣るとも認められず,賃貸人として結露の発生を除去する義務,本件窓のサッシを取り換えるなどの修繕義務はないなどとして請求を棄却した事例

【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載