和菓子の標章に用いられた「元祖」の表示が,品質誤認行為や虚偽事実告知による営業誹謗行為にあたると | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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和菓子の標章に用いられた「元祖」の表示が,品質誤認行為や虚偽事実告知による営業誹謗行為にあたるとしてその使用差止め等を求めた請求が棄却された事例

 

大阪高等裁判所判決/平成19年(ネ)第1229号

平成19年10月25日

【判示事項】    和菓子の標章に用いられた「元祖」の表示が,品質誤認行為や虚偽事実告知による営業誹謗行為にあたるとしてその使用差止め等を求めた請求が棄却された事例

【参照条文】    不正競争防止法2-1

          不正競争防止法3

          不正競争防止法4

【掲載誌】     判例タイムズ1259号311頁

          LLI/DB 判例秘書登載

       主   文

 1 本件控訴を棄却する。

 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

       事実及び理由

第1 控訴の趣旨

 1 原判決を取り消す。

 2 被控訴人は,原判決別紙イ号物件目録記載の物件及び同物件の包装紙,包装箱,紙袋につき,「元祖」の表示をしてはならない。

 3 被控訴人は,「元祖」の表示がある原判決別紙イ号物件目録記載の物件の包装紙,包装箱,紙袋を廃棄せよ。

 4 被控訴人は,控訴人に対し,1億円及びこれに対する平成18年1月22日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 5 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。

第2 事案の概要

 1 本件は,和菓子を製造販売する控訴人から,同業で競争関係にある被控訴人に対して,①控訴人の周知商品等表示である標章(大阪みたらし小餅)に類似する標章(大阪みたらし元祖だんご)を被控訴人が使用して混同を生じさせているから,不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号に該当する,②控訴人の周知商品等表示である商品形態と同一又は類似する商品形態を使用して混同を生じさせているから,同号に該当する,③被控訴人が販売する商品の包装紙等に「元祖」の表示を付している行為が,内容又は品質について誤認させるような表示であり,同項13号に該当する,④被控訴人が販売する商品の包装紙等に「元祖」の表示を付している行為が,控訴人の営業上の信用を毀損する虚偽の事実の告知行為であり,同項14号に該当するとして,それらに関する差止,廃棄及び損害賠償を請求した事案である。

 原審は控訴人の請求をいずれも棄却したため,控訴人は,上記③・④に係る請求を棄却した部分につき,前記第1のとおり本件控訴を提起し,上記①・②に係る請求(原判決別紙イ号物件目録記載の物件及びその包装紙等につき「大阪みたらし」の表示の差止,同表示のある包装紙等の廃棄,同物件の製造等の差止,同物件の廃棄及びその製造に必要な装置の除去の各請求)については不服申立をしなかった。

 本件の争点は,①「元祖」表示が品質誤認表示行為にあたるか(不競法2条1項13号該当性・原審争点(3)),②「元祖」表示が営業誹謗行為にあたるか(同項14号該当性・原審争点(4)),③控訴人の損害(原審争点(5))である。