電気、ガスの供給を受けている利用者が、通産大臣がしたその料金の値上げを含む供給規定変更認可処分の違法を理由としてした国家賠償請求が棄却された事例
大阪地方裁判所判決/昭和56年(ワ)第7067号
平成2年10月29日
国家賠償請求事件
【判示事項】 1、電気、ガスの供給を受けている利用者が、通産大臣がしたその料金の値上げを含む供給規定変更認可処分の違法を理由としてした国家賠償請求が棄却された事例
2、右事案につき、通産大臣が電気事業者に対し電気事業法23条に基づく供給条件変更認可申請を命ずる権限を行使しなかったことを理由とする国家賠償請求が棄却された事例
【解説】
1、本件は、関西電力が供給する電気及び大阪ガスが供給するガスの消費者である原告らが、通産大臣が昭和55年3月12日に行った関西電力に対する電気料金の値上げ(平均43.36パーセント)を主な内容とする電気供給規定変更認可処分及び大阪ガスに対するガス料金の値上げ(平均45.12パーセント)を主な内容とする1般ガス供給規定変更認可処分には、手続的にも、内容的にも違法があり、その結果損害を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、国に対し、その賠償を請求した事案である。
これに対し、被告国は、いわゆる反射的利益論に立脚して、本件における電気、ガスの料金等の供給条件に関する利用者の利益は、電気事業法及びガス事業法が目的とする公益の保護を通じ、その結果として保護される筋合いのものであり、まさに反射的な利益にすぎないので、仮に原告ら主張の如く本件認可処分が電気事業法、ガス事業法に違反するものだとしても、そのことが原告らとの関係で国家賠償法上違法となることはない旨主張した。
また、本件認可処分は、その手続面においても、内容面においても、原告らが主張する如き問題は存しないと主張した。
【参照条文】 国家賠償法1-1
電気事業法19
ガス事業法17
電気事業法23-1
【掲載誌】 訟務月報37巻4号636頁
判例タイムズ771号97頁
判例時報1398号94頁