観賞ないしは記念のための品として作成された家系図が,行政書士法1条の2第1項にいう「事実証明に関する書類」に当たらないとされた事例
最高裁判所第1小法廷判決/平成20年(あ)第1071号
平成22年12月20日
『平成23年重要判例解説』刑法事件
行政書士法違反被告事件
【判示事項】 観賞ないしは記念のための品として作成された家系図が,行政書士法1条の2第1項にいう「事実証明に関する書類」に当たらないとされた事例
【判決要旨】 個人の観賞ないしは記念のための品として作成され、対外的な関係で意味のある証明文書として利用されることが予定されていなかった本件家系図は、行政書士法1条の2第1項にいう「事実証明に関する書類」に当たらない。
(補足意見がある。)
【参照条文】 行政書士法1の2-1
行政書士法19-1
行政書士法(平成20年法律第3号による改正前のもの)21
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集64巻8号1291頁
裁判所時報1522号5頁
判例タイムズ1339号64頁
判例時報2103号155頁
金融法務事情1933号114頁
補足意見
本件では,被告人は手数料を支払って行政書士から「戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書」を取得し,戸籍・除籍謄本の請求を行うという不正行為(平成19年法律第35号による改正前の戸籍法121条の2参照)を行っており,その点に問題があるというべきであるが,そうした行為は,本来,行政書士の自覚と自律を高めることにより予防すべきことであり,そして,今後は,戸籍法133条により不正行為者を処罰することとなろう。