離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否
最高裁判所第1小法廷判決/平成14年(受)第505号
平成16年6月3日
離婚請求本訴、同反訴事件
【判示事項】 1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において上訴審が原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときに離婚請求に係る部分を差し戻すことの要否
【判決要旨】 1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについては,控訴審においても,相手方の同意を要しない。
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において,上訴審が,原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し,又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときには,離婚請求を認容した原審の判断に違法がない場合であっても,財産分与の申立てに係る部分のみならず,離婚請求に係る部分をも破棄し,又は取り消して,共に原審に差し戻すこととするのが相当である。
【参照条文】 民法768-1
民法771
人事訴訟法32-1
家事審判法9-1
人事訴訟手続法8
人事訴訟法18
民事訴訟法300
民事訴訟法307
民事訴訟法308
民事訴訟法325
【掲載誌】 家庭裁判月報57巻1号123頁
最高裁判所裁判集民事214号355頁
裁判所時報1365号278頁
判例タイムズ1159号138頁