税務調査を受けた後、修正申告書を提出していたとしても、更正処分を受けるべきことを予知して提出したこととなるから、過少申告加算税の賦課は免れないとされた事例
最高裁判所第1小法廷/昭和50年(行ツ)第38号
昭和51年12月9日
所得税更正処分等取消請求上告事件
【判示事項】 確定申告書提出後、租税特別措置法の適用を受けるべく嘆願書を提出した時期が、既にその申告年分の所得税について調査を受けた後であり、仮に右時期に修正申告書を提出していたとしても、更正処分を受けるべきことを予知して提出したこととなるから、過少申告加算税の賦課は免れないとされた事例
【判決要旨】 (1) 確定申告書に租税特別措置法(以下、措置法という。)38条の6(昭和40年法律第32号による改正前のもの。以下同じ。)1項ないし3項の適用を受けるための所要事項を記載しなかつた場合において、右規定の適用を受けるためには、確定申告書に所要事項を記載しなかつたことにつき、やむを得ない事情があると認められる場合でなければならないところ(同条4項後段)、本件において、やむを得ない事情があるとは認められず、したがって、納税者が本件更正処分を受けるまでに法定の書類を提出していたとしても、前記規定の適用を受けられないことは明らかであって、所論の嘆願書の形式・内容について税務職員の適切な指導・助言がなかつたことと右規定の適用が認められなかつたことの適否とはなんら関係がないというべきである。それ故、税務職員が嘆願書の形式・内容につき適切な指導・助言をしなかつたことを理由として、前記規定の適用を認めなかつた原審の判断を非難する所論は、その前提を欠き、失当である。論旨は、採用することができない。
(2) 省略
(3) 過少申告加算税は、修正申告書の提出があつたときでも、原則としては、賦課されるのであり(国税通則法65条1項)、その提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときに、例外的に、課せられないこととされているにすぎないのである(同条3項)。原審が確定した事実によれば、亡正夫が嘆願書を提出したのは、すでにその申告にかかる昭和39年分の所得税について調査を受けたのちであつたというのであり、仮に、税務職員の適切な指導・助言により、亡正夫が、嘆願書を提出した時期に修正申告書を提出していたとしても、更正処分を受けるべきことを予知してこれを提出したことになるものというべきであって、過少申告加算税の賦課を免れないところである。
【参照条文】 国税通則法65-1
国税通則法65-3
【掲載誌】 訟務月報22巻13号3050頁