労組法が適用されない一般職地方公務員と労働組合法が適用される者が構成員となった混合組合について,労組法上の救済命令の申立人適格を有するとした一審判断が維持された例
東京高等裁判所判決/平成26年(行コ)第486号
平成27年5月14日
不当労働行為救済命令取消請求控訴事件
【判示事項】 1 労組法が適用されない一般職地方公務員と労働組合法が適用される者が構成員となった混合組合について,地方公務員法および労組法は混合組合の存在を許容しているというべきであり,その組織実態に鑑みれば,地公法の職員団体および労組法上の労働組合の複合的な性格を有しており,労組法が適用される組合員との関係では,不当労働行為救済制度のもとで保護された団結権の保障を全うさせるという観点から,救済命令の申立人適格を有するとした一審判断が維持された例
2 労組法の適用が認められている単純労務職員について,職員団体としての活動を通じた交渉を行うことができるとしても,不当労働行為救済制度による救済を受ける必要がないといえないことは明らかであり,混合組合は,労組法上の労働者の労働条件等を交渉事項とする場合には労組法上の労働組合として取り扱えば足り,労組法または地公法のいずれが適用される組合員の問題であるかによって峻別することが不可能とはいえないし,日々の対応のなかで直ちに混乱や紛議が生じるともいえないとした一審判断が維持された例
3 混合組合の単純労務職員の配置等に関する団交要求に対し,控訴人(一審原告)X市市長が交渉当事者は市教委である旨を案内しただけでは対応として不十分というほかなく,団交申入れを拒否したものと認めるのが相当であり,職員の定数およびその配置に関する事項は地公労法7条但書きの管理運営事項であり,それ自体は団体交渉事項に当たらないが,管理運営事項の内容が労働条件に関連する場合には,当該労働条件について団体交渉事項となると解するのが相当であるから,欠員補充自体は管理運営事項として団体交渉の対象とすることは許されないが,その余は職員の労働条件に関する事項に該当する団体交渉の対象となり得る事項であり,かつ,X市が団体交渉応諾義務を負う事項であるとして,X市に誠実団交を命じた中労委命令を維持した一審判断が維持された例
4 X市の二審における主張について,市教委が本件団交申入れ以前に組合側に対して十分な説明や回答を行っていたとは認められず,本件団交申入れ後の事情から団体交渉の必要性が否定されることもなく,本件団交申入れが交渉窓口を誤った不適法な団交申入れであるということもできず,組合側が本件団交申入れにおいて求めていたものが管理運営事項である14年協定どおりの人員配置に尽きるということもできないとして,X市は,正当な理由がなく,本件団交申入れを拒否したといえるとされた例
【掲載誌】 労働判例1124号56頁