東京高等裁判所判決/平成23年(ネ)第3459号
平成23年9月14日
損害賠償請求控訴事件
【判示事項】 1 いわゆる「未公開株式」が売買された場合と当該株式を発行した株式会社の買主に対する損害賠償責任の有無(積極)
2 いわゆる「未公開株式」が売買された場合と当該株式を発行した株式会社の代表取締役ないし取締役の買主に対する損害賠償責任の有無(積極)
【判決要旨】 1 いわゆる「未公開株式」が売買された場合に、当該株式を発行した甲株式会社に当該株式を販売した乙株式会社が資本参加する交渉の過程からみて、甲において、乙が甲から発行を受けた株式を一般投資家に違法に販売して資金を調達するのみならず、その差益を利得することを認識していたのではないかと想定されるだけでなく、乙が甲の株式を一般投資家に違法に販売することを容易に認識し得たというべき判示の事実関係の下においては、甲は、甲が乙の資金の原資等に関する調査を怠って漫然と株式を発行したことについて、甲に過失があったといわざるを得ないから、乙との共同不法行為に基づき、当該株式の買主に対して、その被った損害を賠償すべき責任がある。
2 いわゆる「未公開株式」が売買された場合に、当該株式を発行した甲株式会社に当該株式を販売した乙株式会社が資本参加する交渉の過程からみて、甲において、乙が甲から発行を受ける株式を一般投資家に違法に販売することを認識し、または認識し得たのに、漫然と乙に株式を発行した判示の事実関係の下においては、甲の代表取締役は、乙に対する株式の発行を主導したものとして、甲の取締役は、甲の代表取締役の当該業務執行を承認したものとして、それぞれ甲の業務を適正に執行する義務ないし甲の業務に対する監視監督義務を故意または重大な過失によって怠ったといわざるを得ないから、取締役の第三者に対する責任に基づき、当該株式の買主に対して、その被った損害を賠償すべき責任がある。
【参照条文】 会社法350
民法709
民法715-1
民法719
会社法429-1
【掲載誌】 金融・商事判例1377号16頁