全員出席総会により治癒されない総会招集手続きの瑕疵 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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大阪地方裁判所判決平成30年9月25日

株主総会決議取消請求事件

【判示事項】 1 取締役会設置会社において取締役会決議に基づかずに代表取締役がした株主総会の招集が違法であるとして、決議取消事由があるとされた事例

2 株主総会決議の瑕疵が重大であり、また、決議に影響を及ぼさないものとは認められないとして、裁量により棄却することができないとされた事例

【判決要旨】 1 本件の株主総会の招集に係る取締役会決議は定足数を満たさず無効なものであり、その招集手続に被告代表者が取締役会の決議に基づかずに招集した瑕疵が認められ、上記総会は、いわゆる全員出席総会に当たらないから、法令違反(会社法831条1項1号)により取り消されるべき事由があるといえる。

2 上記招集手続の瑕疵は、重大でないということができず、また、決議に影響を及ぼさないということもできないから、会社法831条2項を適用して裁量により棄却することはできない。

【参照条文】 会社法831-1

       会社法831-2

【掲載誌】  金融・商事判例1553号59頁