営業譲渡につき従業員による同意ないし承諾がなされたとは認められず、譲渡会社の退職の申し込みを従業員が承諾したものであるとして、譲渡会社に対して自己都合退職金の支払いが命じられた例
東京地方裁判所判決平成9年1月31日
『平成9年重要判例解説』労働法事件
退職金等請求事件
【判示事項】 一 企業間において営業譲渡契約がなされるに当たり、譲渡する側の会社の従業員の雇用契約関係を、譲受する側の会社がそのままあるいは範囲を限定して承継するためには、譲渡・譲受両会社におけるその旨の合意の成立に加え、従業員による同意ないし承諾を要するとされた例
二 従業員による同意ないし承諾がなされたとは認められず、譲渡会社の退職の申し込みを従業員が承諾したものであるとして、譲渡会社に対して(会社都合退職金ではなく)自己都合退職金の支払いが命じられた例
三 就業規則およびこれに基づく給与規定が、従業員兼務の役員就任をもって、従業員性の絶対的喪失事由とする趣旨であったとは解されないとして、退職勧告を了承して退職した従業員兼務役員の(会社都合退職金ではなく)自己都合退職金の支払いが命じられた例
【掲載誌】 労働判例712号17頁