発症後の安静治療の困難性と公務起因性 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第3小法廷判決平成8年3月5日

『平成8年重要判例解説』労働法事件

地公災基金愛知県支部長(市立小学校教諭)事件

公務災害認定外裁決取消請求事件

【判示事項】 地方公務員が午前中に出血を開始した特発性脳内出血により当日午後の公務に従事中に意識不明となって倒れ入院後死亡した場合につき死亡の公務起因性を否定した原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】 市立小学校教諭が、午前中に出血を開始した特発性脳内出血により、当日午後行われた児童のポートボールの試合の審判として球技指導中に意識不明となって倒れ、入院後死亡した場合につき、特発性脳内出血は出血開始から血腫が拡大し意識障害に至るまでの時間がかなり掛かるものであり、同人は午前中の段階で身体的不調を訴えており、審判の交代を同僚教諭らに申し入れたが聞き入れられず、やむなく右審判を担当したなど判示の事実関係の下においては、出血開始後の公務の遂行が特発性脳内出血の態様、程度に影響を与えた可能性、死亡にいたるほどの血腫の形成を避けられた可能性等について審理判断を尽くすことなく、出血開始後の公務は右死亡と無関係であるとして右死亡の公務起因性を否定した原審の判断には違法がある

【参照条文】 地方公務員災害補償法31

       地方公務員災害補償法45-1

【掲載誌】  訟務月報43巻5号1316頁

       最高裁判所裁判集民事178号621頁

       裁判所時報1167号88頁

       判例タイムズ906号203頁