不動産の現況調査を行うに当たっての執行官の注意義務 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第3小法廷判決平成9年7月15日

『平成9年重要判例解説』民事訴訟法事件

損害賠償請求事件

【判示事項】 一 不動産の現況調査を行うに当たっての執行官の注意義務

二 執行官が現況調査を行うに当たり目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したと認められた事例

【判決要旨】 一 執行官は、現況調査を行うに当たり、通常行うべき調査方法を採らず、あるいは、調査結果の十分な評価、検討を怠るなど、その調査及び判断の過程が合理性を欠き、その結果、現況調査報告書の記載内容と目的不動産の実際の状況との間に看過し難い相違が生じた場合には、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものというべきである。

二 執行官が、山林の現況調査を行うに当たり、自ら案内を申し出た町役場職員の指示した土地が現況調査の対象ではなかったにもかかわらず、右職員に対する質問や他の調査結果との照合により右職員の指示説明の正確性を検討することを怠り、また、携行していた不動産登記法一七条所定の登記所備付地図の写しと現地の状況との照合を十分に行わなかったために両者の相違に気付かず、その結果、右職員の指示した土地を現況調査の対象と誤認して、右土地の現況を現況調査報告書に記載したなど判示の事実関係の下においては、右執行官は、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものと認められる。

【参照条文】 国家賠償法1-1

       民事執行法57

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集51巻6号2645頁