振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による預金の払戻請求と権利の濫用 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第2小法廷判決平成20年10月10日

『平成20年重要判例解説』民法1事件

三井住友銀行事件

預金払戻請求事件

【判示事項】 振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求と権利の濫用

【判決要旨】 受取人の普通預金口座への振込みを依頼した振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合において,受取人が当該振込みに係る預金の払戻しを請求することについては,払戻しを受けることが当該振込みに係る金員を不正に取得するための行為であって,詐欺罪等の犯行の一環を成す場合であるなど,これを認めることが著しく正義に反するような特段の事情があるときは,権利の濫用に当たるとしても,受取人が振込依頼人に対して不当利得返還義務を負担しているというだけでは,権利の濫用に当たるということはできない。

【参照条文】 民法1-3

       民法666

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集62巻9号2361頁