全部取得条項付種類株式の取得決議により株主としての地位を喪失しても,同決議について提起した株主総会決議取消請求の原告適格を喪失しない
東京地方裁判所判決平成22年9月6日
株主総会決議取消請求事件
【判示事項】 1 原告らが,全部取得条項付種類株式の取得決議により株主としての地位を喪失しても,同決議について提起した株主総会決議取消請求の原告適格を喪失しない
2 全部取得条項付種類株式制度を利用した完全子会社化スキームにおいて,株主総会決議が著しく不当であるというためには,少なくとも,少数株主に交付される予定の金員が,対象会社の株式の公正な価格に比して著しく低廉であることを必要とする
3 会社に少数株主を排除する目的があるというのみでは,全部取得条項付種類株式制度を規定した会社法の趣旨に違反するとはいえない
【判決要旨】 1 全部取得条項付種類株式の発行等に係る定款の変更および取得を内容とする株主総会決議が、特別利害関係を有する株主の議決権行使によって著しく不当である(会社法831条1項3号)というためには、単に会社側に少数株主を排除する目的があるというだけでは足りず、少数株主に交付される予定の金員が対象会社の株式の公正な価格に比して著しく低廉であることを必要とする。
2 全部取得条項付種類株式について、会社に少数株主を排除する目的があるというのみでは、会社法108条1項7号、2項7号、171条ないし173条の趣旨に違反するということはできない。
【参照条文】 会社法109-1
会社法108-1
会社法108-2
会社法171
会社法172
会社法173
会社法314
会社法830-2
会社法831-1
会社法831-2
【掲載誌】 判例タイムズ1334号117頁