レックス株式取得価格決定事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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東京高等裁判所決定平成20年9月12日

『平成20年重要判例解説』商法1事件

各株式取得価格決定に対する抗告事件

【判示事項】 1 全部取得条項付種類株式の取得価格について、当該株式の取得日における公正な価格すなわち当該株式の客観的価値に加えて、強制取得により失われる今後の株価上昇に対する期待を評価した価額をも考慮するのが相当であるとされた事例

2 直近6か月間の市場株価の終値の平均値が、株式の客観的価値であるとされた事例

3 株価の上昇に対する期待の評価額について、20パーセントが相当であるとされた事例

【判決要旨】 会社法172条1項により取得価格の決定の申立てがされた場合、裁判所は、当該株式の取得日における公正な価格をもって、その取得価格を決定すべきものであるが、公正な価格を定めるに当たっては、取得日における当該株式の客観的価値に加えて、強制的取得により失われる今後の株価の上昇に対する期待を評価した価額をも考慮するのが相当であり、かつ、その決定について、裁判所の合理的な裁量に委ねられる。

  本件では、取得日における当該株式の客観的価値は、直近6か月の終値の平均値である28万0805円と認められ、これに株価上昇に対する期待の評価額20パーセントを加算した33万6966円をもって、本件株式の取得価格と認めるのが相当である。

【参照条文】 会社法172-1

【掲載誌】  金融・商事判例1301号28頁