不利益処分基準と訴えの利益『平成27年度重要判例解説』行政法6事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第3小法廷判決平成27年3月3日

営業停止処分取消請求事件

【判示事項】 行政手続法12条1項により定められ公にされている処分基準に先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の定めがある場合における先行の処分の取消しを求める訴えの利益

【判決要旨】 行政手続法12条1項により定められ公にされている処分基準において,先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には,上記先行の処分を受けた者は,将来において上記後行の処分の対象となり得るときは,上記先行の処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても,当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する。

【参照条文】 行政事件訴訟法9-1

       行政手続法12-1

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集69巻2号143頁