東京高等裁判所判決平成30年5月9日
損害賠償請求控訴、仮執行の原状回復等申立事件
『平成30年度重要判例解説』商法7事件
【判示事項】 会社の取締役が、買収防衛のため、当該会社を代表して新たに複数の弁護士に法律事務を委任し、弁護士報酬を支出したことに善管注意義務違反は認められないとされた事例
【判決要旨】 会社の取締役が、買収防衛のため、当該会社を代表して新たに複数の弁護士に法律事務を委任し、弁護士報酬を支出したことについて、買収を仕掛けてきた会社の実質的支配者が、過去に買収した会社を私物化したと指摘されていたこと、関連会社を通じて営業用財産の競売を申し立てたことで自社の信用が大きく毀損されたことなどの事情のもとでは、株主共同の利益を守るため買収防衛策を講ずることに相当な理由があるので、善管注意義務違反は認められない。
【参照条文】 会社法423-1
会社法330
会社法355
民法644
【掲載誌】 金融・商事判例1554号20頁
金融法務事情2103号72頁