遺留分減殺請求を受けた受遺者が弁償額の確定を求める訴えに確認の利益があるか | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第2小法廷判決平成21年12月18日

債務不存在確認等,遺言無効確認等請求事件

『平成22年重要判例解説』民事訴訟法1事件

【判示事項】 遺留分減殺請求を受けた受遺者が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,目的物の現物返還請求も価額弁償請求も受けていない場合において,受遺者の提起した弁償すべき額の確定を求める訴えに確認の利益があるか

【判決要旨】 遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けた受遺者が、民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが、遺留分権利者から目的物の現物返還請求も価額弁償請求もされていない場合において、弁償すべき額につき当事者間に争いがあり、受遺者が判決によってこれが確定されたときは速やかに支払う意思がある旨を表明して、弁償すべき額の確定を求める訴えを提起したときは、受遺者においておよそ価額を弁償する能力を有しないなどの特段の事情がない限り、上記訴えには確認の利益がある。

【参照条文】 民法1041-1

       民事訴訟法134

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集63巻10号2900頁

       家庭裁判月報62巻5号60頁

       判例タイムズ1317号124頁

       判例時報2069号28頁

       金融法務事情1908号82頁