『デリバティブがわかる』日経文庫 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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『デリバティブがわかる』日経文庫
上記書籍のうち、以下の部分を読み終えました。
Ⅰ デリバティブ・マーケティングのしくみ

【参考文献】
『証券化の知識』日経文庫
上記書籍を読み終えました。
なお、この本は証券化に投資する側にとってのメリットが強調されがちであるが、デメリットもあることを忘れてはならない。
また、証券化を構築する側(売り手、金融機関)が証券化するメリットについての記述が少ないことにも注意を要する。
Ⅰ 証券化とは
 証券化とは、一定の資産や指標・指数を、小口に分散して、投資家(金融機関、事業会社を含む)に売却して、取引する手法である。
 もともと、上記の資産などを証券として取引の対象としたので、「証券化」と呼ぶが、現在では、必ずしも証券を発行する必要はない。
 資産は、不動産、船舶、航空機、動産、有価証券、債権、担保物権、知的財産権、信託受益権、事業、貴金属、天年資源(原油、鉱物)など。したがって、所有権に限られない。
債権や有価証券には、国債、公共債券、社債、不動産ローン、自動車ローン、クレジットカード債権、リース債権、株式、手形債権、小切手債権、コマーシャルペーパー(CP)、売掛金債権などである。
 指標・指数は、債務不履行リスク、金利、通貨、外国為替、株価指数、保険金支払いのリスク(再保険)、エネルギー(電力の需要と供給)、大規模施設・テーマパークの売上、天候、自然災害、二酸化炭素排出権などである。
 これらの資産やリスクなどを一定の集団として、一定の場合には、小口化した証券を購入した投資家に、利益(通常は現金)が入るようにする。
 例えば、不動産を証券化した場合には、不動産から得られる賃料収入などである。
(注)再保険のリスクが証券化された契機となったのは、災害事故などにより保険金支払が増加し、それらの保険を再保険していたイギリスのロイズ協会が危機に陥りそうになったからだとされている。
 そして、リスク分散や投資リターンや対価を高めるために、さらに、証券化されたものを複数組み合わせとして証券化する場合(再証券化)が多い。

 証券化には、償還期限がある場合には、以下のように決済する。
ア)先物(市場で決済するもの)、先渡し(市場の外で決済するもの)
イ)一定の期日または期間内で決済する
ウ)スワップ(現金または他の証券化されたものと交換すること。)

 決済の方法として、
ⅰ)証券化されたものの金利の差額だけ決済する場合。多数の債権などを一括して差額だけ市場で決済する場合には、一括ネッティング清算と呼ぶことがある。
ⅱ)元金+金利をけっさいする場合

・リスクをコントロールする方法
 証券化のリスクは、大別して、以下の4つがある。
(1)金利の上昇・下落によるリスク
(2)信用リスク。債務者の債務不履行・倒産ののリスク
(3)債務者が期限前に返済するリスク。
(注)この本には書いていないが、団体信用生命保険で返済される場合も含む。
(4)人の作為に左右されずに天候災害などを条件とする証券の場合に、天候災害などが発生してしまうこと。
 売り手・買い手にとってのリスクとその回避方法、
第三者による格付け・評価

 

【コラム】
・ブラック・ショールズ・モデル
以下については、私は、逆さの結論に達しました。
・想定元本の大きさはリスクの大きさではない
・グローバル金融危機の教訓
・ヘッジ取引をやって叱られる
・VARショック