島田真琴『イギリス取引法入門』 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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島田真琴『イギリス取引法入門』
慶應大学出版会、2014年
本文約300ページ。
樋口範雄『アメリカ契約法』【第2版】(弘文堂、平成22年)と並行して読んでいます。
アメリカ契約法は、イギリス法を基にしています。
しかし、国が違いますので、当然、アメリカとイギリスの両国の法律や判例は違います。

上記書籍のうち、以下の部分を読み終えました。
第1章 イギリス法とは
第2章 裁判所と法律専門職
エクイティ法の成り立ちの箇所は、簡潔にまとめてあり、参考になります。
第3章 イギリス法の法源
第4章ー第6章 契約の成立
約因(ラテン語のカウサ、英語のコーズ)がないと契約は成立しない。これは日本法と大きく異なる。
約因は、契約の当事者双方のために必要な、おおむね経済的な動機付け、両当事者間が相互に負う債務の内容、履行である。
一方的な債務負担行為は、約因に該当しない。
約因は第三者のためであってもよい。これは、おおむねドイツ法の「第三者のためにする契約」に相当すると思われる。
約束的禁反言(エストッペル)
レター・オブ・インテント
条件付合意

なお、日本法での「追加契約」、「変更契約」に相当する法概念もある。