『アメリカ証券取引法 (アメリカ法ベーシックス)』
黒沼 悦郎 (著)
単行本: 255ページ
出版社: 弘文堂; 第2版 (2004/12)
日本の現在の金融商品取引法を勉強した後だと、本書の内容が簡単に感じられる。
また、アメリカ法と日本の金融商品取引法との違いにも気が付く。
上記書籍のうち、以下の部分を読み終えました。
第1章 証券規制の構造
第1節 証券規制の展開
第3章 証券取引の規制
第2節 流通市場の開示の規制
第3節 不実表示と民事責任
本書は,「証券規制法(Securities Regulation)」という名前のロースクールの科目の内容を概説したもの。
アメリカ連邦証券規制法の核となっている証券法(1933年制定)と,証券取引所法(1934年制定)に焦点を当て,内部統制などを定めたサーベンス・オックスリー法(SOX法)による改正もふまえ、判例・学説・実務の観点からコンパクトに概説したもの。
証券規制がどのようにして生まれたのか,流通市場の規制やインサイダー取引の規制といった規制内容の説明などで構成されている。
アメリカ法を継受して、日本の証券取引法(後の金融商品取引法)が立法されたのは1948年である。
その意味で,米国証券規制の分析は,日本の法律が直面する問題解決のヒントにもなり得る。
しかも,近年,日本でも直接金融市場が成長,多様化し、市場による投資家の保護や,情報開示など企業行動の規律がますます重要になってきた。
概説書ではあるので、説明が簡単すぎないかという箇所もある。
アメリカ証券取引法に関して日本語文献では、黒沼教授と同様の整理をしているものが多いが、一概に黒沼説を通説的な理解と言い切ることもできない。
(たとえば、「看板理論」関連判例の位置づけについてと指摘する見解あり)
日本からみればモデルとされてきた米国の証券取引法制だが,それでもエンロン等の大事件が起きている。
本書を読むと,それに対する米国の法制上の対処の概要も把握できる。
もっとも,それらの対処が適切・妥当なものか否かについては,今後の米国の様子を見守る必要があるだろう。
なお「LexisNexisのアメリカ法概説書シリーズの翻訳が出版され、同書の方が判例や叙述が丁寧と言うこともあって、読む優先度としては、その本の方が優先かもしれない」という評判もある。
なお、弘文堂の「アメリカ法ベーシックス」シリーズでは、以下のような書籍も出版されている。
アメリカ契約法(第2版) [アメリカ法ベーシックス]
アメリカ憲法 (アメリカ法ベーシックス 10)
アメリカ民事手続法 (第2版) (アメリカ法ベーシックス
アメリカ代理法 (アメリカ法ベーシックス)
また、アメリカ証券取引法の関連書籍として、以下がある。
新外国証券関係法令集 アメリカ〈3〉証券法、証券取引所法 日本証券経済研究所 単行本
英米法辞典 田中 英夫 単行本(ソフトカバー)
LexisNexisのアメリカ法概説書シリーズ証券規制法