『韓国民事訴訟法』1996年
金 祥洙 (著)
単行本: 302ページ
出版社: 信山社出版 (1996/06)
言語: 日本語
出版社によると「日本と法律の分野でも益々交流が盛んな韓国の民事訴訟法。日本にはまだ韓国の民事訴訟法の全体像を明らかにする文献がなく、これまで十分に紹介されなかった。そこで韓国の民事訴訟法のほぼ全般にわたる体系的・比較的研究を目的に編集。特に重要な判例は詳細に紹介。
」とのことである。
日本で出版された時期がちょうど日本での「司法改革」の時期にあたる。
今振り返ってみると、韓国の民事訴訟法というより、むしろ、アメリカに影響された民事訴訟法というべきかもしれない。
その当時の韓国は、裁判迅速の改革が済んでいた。
当時、私が啓発を受けた事項は以下のとおりである。
・民事裁判迅速のため、韓国の民事訴訟の第1審はおおむね1年以内に審理が終結する。
ただし、拙速な判決が多いせいか、上級審で破棄差し戻しになる率も多い。
・訴訟遅延対策として、法定利率以外に、民事訴訟を提起した場合の遅延損害金が大幅に増える。
(同じ時期に読んだ別の本によれば、アメリカやに西ドイツでも、同様であるとのこと。)
・弁護士費用の敗訴者負担
・韓国での証人尋問はあらかじめ予定されたとおりのことしか証言せず、反対尋問もおおむね成功しない。
そのため、韓国の裁判所は証人尋問の結果をあまり重視しない。
(もっとも、同じ時期に読んだ別の本によると、フランスの民事訴訟では、証拠書類だけで判断し、証人尋問すらしないようである。)
・刑事事件の不起訴記録の供述調書も民事訴訟法では取り寄せることができる。
などである。