租税法の読んだ本(その1) | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

租税法の読んだ本(その1)

〔入門書〕

•金子宏・清永敬次・宮谷俊胤・畠山武道『税法入門(有斐閣新書)』有斐閣(20074月・6版)

私は司法試験合格後に読んだ。

•三木義一『よくわかる税法入門-税理士・春香のゼミナール(有斐閣選書)』有斐閣(2010年・5版)

•三木義一『よくわかる税法入門-税理士・春香のゼミナール・2(法人税法編)』有斐閣

前提となる簿記に言及しつつ、税法の論点について、非常に分りやすく書かれている。

私は弁護士になってから読んだ。

「入門書」だからと食わず嫌いせずに、もう少し早く読んでおけばよかったと思わせる良書である。

〔体系書・教科書〕

•金子宏『租税法(法律学講座双書)』弘文堂(20114月・16版)

税法すべてを網羅するバイブルと評価されている。

判例と金子説が違う場合、判例に関する記述が簡潔すぎて理解できないことが多々あった。

金子・元教授は膨大な学問的業績を著しているので、金子説を理解したければ、この本だけではなく、金子・元教授の個別の論文集を読むしかない。

私は弁護士になってから読んだが、結局、判例を理解しようとした場合、この本に固執するよりも、他の著者の本で個別に理解したほうが良いと感じた。

・渡辺淑夫『法人税法詳説』

詳しい記述だが、一部、簿記を理解していないと、理解できない部分がある(例えば、圧縮記帳)。

私は弁護士になってから、筑波大学院のとき、読んだ。

・酒井克彦『裁判例からみる法人税法』

同・『所得税法の論点研究』

池本=酒井克彦『裁判例からみる相続税・贈与税』

いずれも、それぞれの税法について、裁判例と学説を詳しく検討している。

ただし、著者の結論部分が、裁判例の判決文からの引用であることが多いので、注意しながら読む必要がある。

私は弁護士になってから読んだ。

〔判例集〕

•水野忠恒編『租税判例百選』有斐閣(200510月・4版)