相続人の廃除 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

2 廃除

1)定義

 被相続人は、推定相続人の非行等を理由として、家庭裁判所の審判または調停によって相続人の相続権を奪うことができます。これを廃除といいます。

2)要件

ア 対象者

 廃除される者は、遺留分を有している推定相続人に限られます(兄弟姉妹を除く相続人)。遺留分を有していない相続人に対しては、その者に相続させないとする遺言を作成すれば、被相続人の意思は実現されるからです。

イ 方法

 廃除をするための具体的な方法としては、(ⅰ)被相続人が生前に家庭裁判所に請求をする方法(民法892条)(ⅱ)遺言で廃除の意思表示をする方法(民法893条)があります。後者の場合は、遺言執行者が、遺言の効力が生じた後に遅滞なく家庭裁判所に廃除の請求を必要があります。

なお、コラムで後述しますが、廃除は簡単には認められるものではありません。

3)効果

 廃除された者は相続権を失いますが、廃除された者に子がいる場合には、代襲相続が生じることになります(民法8872項)

4)事業承継における活用方法

 廃除手続の利用は、経営者の考える事業承継を妨害するような推定相続人がいるような場合には、一考の余地があります。例えば、【事例】における次男丁が放蕩息子で、甲の資産を食いつぶしており、生活態度を改める余地もないような場合には、甲は次男丁を廃除することも視野に入れることが考えられます。ただし、次男丁に子がいるような場合には代襲相続が生じてしまうことに注意が必要です。

【相続人の廃除の遺言文例】

 遺言者の次男丁(生年月日)は遺言者を常に馬鹿親父と罵って侮辱し、しばしば、遺言者のお金を無断で遊興費に使い、また借金を作り、親に迷惑をかけ、著しい非行があるので、遺言者は、右次男を廃除する。