役員の退職慰労金を開示しないことの妥当性 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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【コラム】役員の退職慰労金を開示しないことの妥当性について


前述した通り,役員の退職慰労金については,株主総会でその支給総額を定めることなく,取締役会に一任することが一定の要件の下,判例(前掲最判昭和44・10・28)上,認められています。しかし,役員の退職慰労金の開示を控える理由とされている,役員個人のプライヴァシーは,会社の実質的所有者である株主の情報開示の要請に勝るものなのでしょうか。退任する役員の退職慰労金がいくら支払われることになるのかについて,むしろ現在の株主に対し積極的に開示することがあるべき姿ではないでしょうか。

近時,金融庁が企業の開示ルールなどを定める金融商品取引法に関して,企業内容等の開示に関する内閣府令第二号様式・記載上の注意(57)A(d)を改正し,2010年3月期から上場企業に年間1億円以上の報酬を受け取った役員の氏名と金額,報酬の決め方を有価証券報告書に記載するよう義務付けられました。この流れを受けて,非上場会社でも変化が起こるのか,今後の展開を見守る必要がありそうです。