今週も火曜日から夫の病院へ行ってきました。
夫は窓側に体を向けて寝かせられていましたが、覚醒状態はよく、私を認めて嬉しそうな顔をしてくれました。
ミトンは増えて、両手にされていました。
薄い木綿のミトンなので、まぁ、いいかなと。
早速取り外して両手を出してあげました。

爪を見るとやっぱり伸びていましたので、看護師さんに断って持参の爪切りで切りました。
爪がきれいだったので、もしかしたらと思って聞いてみると、昨日の月曜にお風呂にいれてもらったそうです。

呼吸音は静かで、たまに口を閉じることもありました。
鼻に刺された呼吸用のチューブ、エアウェイというらしいですが、それが汚れたままでした。

主治医のK先生ではなく、別の先生が、6人位の人を引き連れてきました。
一ヶ月くらいの間、1週間に一度、夫の状態を評価しにくるとのことでした。
よく意味がわかりませんでしたが...。
夫のももに、点滴の処置をしたのはこの先生だそうです。
先生は、点滴だけでは栄養が足りない、菌感染の危険性があるので、早く胃ろうにした方がいいと言っていました。

点滴は、前回と変わらず、フルカリック1号と、ファモチジン1A、それに痰切り剤でした。
壁に取り付けてある容器に入っている痰は、前回来たときの半分くらいに減っていました。

期待していたリハビリは、今日は何もありませんでした。



翌18日水曜日、病室へ向かう廊下で、歯科医のSk先生に声をかけられました。
今、ご主人の口腔ケアをしてきたところだけど、口の中はきれいで、ちゃんとお口を開けてくれましたよと言って下さいました。

病室に着いてほどなく、PTのKrさんが来ました。
ベッドの上で、関節が固まらないようなリハビリをしてくれています。
それ以上のことは、医師の指示を聞いた上で、できることをやるということでした。
PTさんもOTさんも、それぞれ、週2回ずつ入っているそうです。
回数の制限はないけど、回復が望めないのに回数だけ増やすと、県(?)の方から指導が入るそうです。
今ならまだ立たせることはできると思うし、みすみす寝たきりにはしないで欲しいとお願いしました。

夫は、今日も覚醒状態がよく、声かけにたまに頷いたりしてくれます。
痰の容器は空で、今日は吸引をしていないようでしたが、少し喉がゼロゼロしていました。
看護師さんが来て、吸引してくれましたが、エアウェイの穴から差し込んで、簡単に一回吸引しただけで、取り切れていないのかすぐにまたゼロゼロとしてしまいました。
急性期病院へいたときは、徹底的に痰を取り除くので、夫はものすごく苦しそうで、それを見て私はできるのだろうかと不安でしたが、この程度なら、私もできそうだなと思いました。
まぁ、痰がなくなって楽にならないと意味はないのですが..。

夫は時々無呼吸になってしまいます。
特に眠っているときがひどくて、SPO2も80代に下がってしまうこともあります。
これは舌根沈下によるものであり、エアウェイは舌根を通り過ぎて、気道の手前まで入るので、一応通り道は確保されるということらしいです。
ネットでこれに似た使い捨てのチューブを見つけました。
挿入するのも簡単にできそうな感じでした。
今病院で使っているエアウェイは、汚れてもそのままのようだし、できたら、毎日取り替えて欲しいと思いました。
使い捨てなら、清潔でいいし、家に連れ帰った時も引き続き使用できるかなと思いました。
ただこれを入手するためには、医師の処方指示書が必要のようです。
そこで、K先生に相談しようと思って、印刷して持っていきました。

この日の午後、K先生が病室に来ました。
早速このチューブの事を聞いてみました。
まぁ、半ば予想はしていましたが、この病院では使えないとのこと。
ここは療養病院なので、医療費はある一定の枠があり、それを超えた分は病院側の負担になるのだそうです。
自費でまかなうこともできないそうです。

家に連れ帰った時に使いたいと思って、あらかじめサイズとか調整して頂きたいと思っていたのですが..と言ったら、言下に、「もう、家に連れ帰るのは無理だよ」と言われました。
驚いて、なぜですか?と聞いたところ、点滴のままでは無理、胃ろうにしたところで、奥さんが一人で、例えヘルパーに来てもらっても無理、おむつ替えや、体交ができないだろう、どこか家の近くの老健にでもいれて、今みたいに通って介護をすればいいと言われました。

また、点滴のまま、車いすは無理、座らせることができない、針が折れたり、血栓ができてしまう、胃ろうにしてもよくなるわけではないが、自由度は高まる、車いすに乗せて散歩できる、このあたりでも、もうすぐ桜が咲く、それを見せて上げられる、リハビリをやって、どの程度回復するかは、ご主人次第、STがとろみをつけたものでやってみると言っていたが、どうなるか期待はできない、とにかく胃ろうにするかどうか、よく相談してと言われました。

更に、相談すると言っても、奥さんには相談する人がいないんだろうね、だからこうしてネットの情報に頼っているんだろうねとホロリとなりそうなことも言われました。

胃ろうを造るにしても、衰弱していて心配だと言いましたら、体重が30kgあれば胃ろうはできる、最初チューブ付きのものにして、次に取り替えるときにボタン式にすればいい、今点滴で1200kcal入れているけど、アミノ酸だけでタンパク質は入れていない、肝臓でそれをタンパク質に変換する、胃ろうは直接タンパク質を入れられるし、薬も入れられるのでやりやすい、月曜に胃カメラを入れて、胃ろうが設置できるかどうか見てみようかと言われました。
お願いしますとは言わなかったけど、止めて下さいとも言えなかったので、月曜には胃カメラになってしまうかもしれません..。


あきらめるしかないのかな...
でも、なにか騙されたような、この罠にかかってしまった感じはなんなんだ..

確かに、前の病院へいたときよりも、呼吸は楽になっている、覚醒度合いもいい。
でも、点滴では、ベッドから起こすことができない。
寝たきりまっしぐら...
今に股関節も固まって、座ることもできなくなる。
それを回避するためには、胃ろうしかないと。

...本当だろうか。
前の病院へいたときは、確かに呼吸は悪かった。
でも、鼻チューブを抜かなければならないほどではなかった。
点滴にしたのは、罠だ。
胃ろうしか選べない。
胃ろうにしても、結局ベッドに寝かせきり、口からも食べられないままになる可能性が高い。

そうしてはいけない。

その日の夜、狭いビジネスホテルのベッドで、何度も寝返りをうちながら、眠れぬ一夜を過ごしました。
明け方近く、胃ろうにはしない、点滴を抜いてもらって家に連れ帰ろう、リハビリに過大な期待をした私がバカだったんだ、鼻チューブくらいならどこの病院でもしてくれるだろう、帰ったら早速、いろんな手配をしないとと、決めて、やっと眠りにつくことができました。




19日木曜日、病室についたら、OTのYgさんがいて、なんと!夫はベッドに腰掛けていました。
座ることができないと思っていたので、びっくりしました。
夫に、座れるんだ~よかったねーーと声をかけると、嬉しそうにニヤっと笑いました。
Ygさんは、やっぱり起こしておくと、本当に反応がよくなりますねと言っていました。
そして、今はまだベッドに腰掛けるだけだけど、そのうち、車いすで外にも行きましょうねと夫に声をかけてくれました。

私は、昨日K先生が言っていたこともあり、点滴のままで車いすに乗せられるんですか?と聞きました。
Ygさんは、あ、点滴のバッグを引っかけるスタンドみたいなものが車いすについているんで大丈夫ですよ~と言います。
そして、他の、そけい部に点滴を刺した人も、車いすに乗せていると教えてくれました。

わからなくなりました..。
点滴のまま車いすに乗せるのは危険なのか、それとも気をつけてやれば大丈夫なのか..。
私は、Ygさんに、昨日K先生が言っていたことは伝えませんでした。
そして、もし、こうしてリハビリをやってもらえるならば、強引な退院はしばらく見合わせた方がいいのかなと思いました。


今日は木曜日です。お風呂に入れてもらえると思っていたら、夫は外されていました。
聞きに行ったら、中心静脈点滴の人は週1回になるんだそうです。
まぁ..手間が大変なんだろうなと思いました。
その代わり、全身清拭をしてくれましたが..。
ここでは蒸しタオルはできないし、どうにもなりません。
でも、今のところ、夫の皮膚は湿疹やかぶれはでていません。


STのYmさんが来て、今日の午後1時半に来ますと言うので、あ、じゃ今日は飲み込みをやってもらえるんですね?と言ったら、えっ?と驚いていました。
K先生がそう言っていたと言いましたら、それはできる状態になったらやるということですとにべもなく言われました。
できる状態とはどんな状態か聞きましたら、血圧の上下変動がない、SPO2がいい、覚醒がいい、喉のあたりに雑音がないという状態ならばやるけど、今日の予定ではないと答えが返ってきました。

今日は覚醒もいいし、今日を外すと私が見れるのは来週になってしまうし、来週こういう状態かどうかわからないし、永久に試す機会はないんじゃないかと思うと言いましたら、評価は1口じゃダメで、3口じゃないととか、よくわからないことをぐだぐだと言っています。
Ymさんは、初対面の時のの印象通りの人だったようです..。
評価はどうでもいいので、夫が、未だに、飲み込むことができるかどうかを私は知りたいのです。
そのために、そのためだけに、これまで待って、待って、胃が痛くなる思いをして、転院させて来たのです。
なんとかお願いして、状態が悪ければ、即中止するという条件で、今日やってもらえることになりました。

Ymさんを待つ間、私は口から心臓が飛び出すんじゃないかと思う位、ドキドキしていました。
どうなんだろう..今でも夫は飲み込むことができるのだろうか..

一通り、バイタルを測りマッサージやら刺激やらを済ませて、いよいよスプーンに載ったとろみのついた水が、夫の口に運ばれました。
ひさしぶりの口からの摂取で、うまく口で受け止められず、少し口の端にこぼしてしまいましたが、それでも、ごっくんと飲み込んでくれました。
Ymさんは、これじゃ多いわね、半分にしましょうと言って、二口目、三口目は、ほんのわずかな水を飲ませました。
三口目に夫はむせたのか、咳をしました。
飲み込みの試みはそこで終了になりました。

おそらく3ヶ月ぶり位に水を飲んだと思うし、私としては、まだ飲み込むことができるとわかり今日のところは充分だと思いましたが、Ymさんがどう思ったかはわかりません。
もし、この状態が、もう飲み込みはできない=リハビリをやっても無駄と評価したなら、今後のリハビリが、減らされる可能性があります。
継続して飲み込みのリハビリをやってくれるならば、ありがたいと思います。
このSTさんは、私がいて、言わないと、マッサージのみで、飲み込みの訓練は、やってくれない可能性もあります。

いずれにしても、もう少しだけ、様子を見ようと思いました。
と、同時に、いつでも家に連れ帰れるように、態勢を整えておきたいと思っています。






          
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