海への二日目。
晴れて欲しいとの願いも空しく、まだ梅雨は明けず曇り空でした。
でも、時々、お日様が顔を覗かせてくれました。

この日も、前日と同じ、チービシです。
この旅行に行く前に、天候と体調がよければ、慶良間の方まで足を伸ばしましょうと言われていたのですが、とても行ける状況ではありませんでした。

昨日と同じく、外海に出たあたりから、揺れました。
でも、今日は、キャビンには入らず、ずっと後部デッキの椅子に座っていたので、船酔いの方は大丈夫でした。
夫は、うたた寝をしたり、時々目を開けて海を眺めていたりしてました。


チービシに着いて、早速またウェットスーツを着込みました。
姉は、前日、よほど怖かったのか、もうスキューバはいいと言います。
それで、Tさんが付き添って、シュノーケリングをしに行きました。

4年前の与論島旅行にも姉がついてきてくれて、その時、姉は生まれて初めてのシュノーケリングをしています。
お天気に恵まれて、海もとびきりにきれいで、姉はシュノーケリングを楽しんでくれました。
やっぱり、一番最初の印象が大事なんだと思います。
体験ダイビングが、もっと条件のいい日だったなら、姉はきっとスキューバも楽しんでくれたに違いないと残念です。


その時間を利用して、私も潜ることにしました。
Aさんが付き添ってくれました。
前日のチェックダイブで、一応器材の使い方を思い出したので(笑)、とりあえず一周してきました。

夫が病気になってから、もう潜ることはないと思っていました。
ダイビングに対する興味がなくなってしまっていたのです。
もともとカナヅチだった私は、新婚旅行で与論島へ行き、その初めて見る珊瑚礁の海の碧さに虜になりました。
この海で泳ぎたい! そう思ってプールに通って泳げるようになりました。
その後、シュノーケリングだけでは物足りなくなって、ダイビングの講習を受け、世界のあちこちの海へ潜りに行きました。

いつも、どんな時も夫が一緒でした。

水中で、ぽっかり浮かんで、傍らを見ると、Aさんがいました。
なんで夫はここにいないんだろう...。

ファンダイブ

二度と入ることはないと思っていた水中に、今、私はいる。
それは、懐かしいような、よく知っている所へ帰ってきたような不思議な感覚でした。

でも、もういいな...
ダイビングは夫と一緒でなければ、つまらない..
一緒にマンタを見て興奮し、ギンガメアジやバラクーダの大群を追いかけた日々はもう戻ってこないんだ..

そんな感傷に浸りながらのファンダイブでした。


上がってみると、既に姉は戻っていました。
Hさんは、以前家に送ってくれて、練習させてくれたフルフェイスのマスクを、なにやら調整しています。

レギュレーターは、フルフェイスのマスクもそうですが、息を吐かないと、空気は入ってきません。
私たちは、無意識に鼻で呼吸していますので、意識しないと、口で呼吸はできないのです。
ところが、夫は、口から息を吐くことができなそうでした。
マスクをかぶせて、タンクに繋いでみると、時々は、息を吐くのですが、連続して安定して息を吐くことができませんでした。

これでは危険だということで、Hさんは、吐かなくても空気が送り込まれるように調整してくれていたのです。


いよいよ、念願の南の海です。
夫は、おニューのウェットスーツを着せられて、トランサムデッキまで運ばれました。
デッキに腰掛けて、海中に脚を入れ、タンクがついたBCジャケットを着せられて、フルフェイスマスクを装着しました。

ゆっくり海中に入っていきます。
..と、
夫の顔をずっと注視していたIさんから、ダメだのサインがでました。
後で聞いたら、ちょっと苦しそうな表情をしたようです。

すかさず、Hさんが海面でマスクを外しました。
夫は上を向いて、背泳ぎ態勢でしたので、マスクを外しても問題ありません。
そして、なんと、バタ足を始めました!
みんなして、一斉に、おーーバタ足してる!と、どよめきました。

以前の夫とは似ても似つかぬ弱々しいバタ足でしたが、それは確かにバタ足でした。
タンク毎BCを外して身軽にして、しばらく海に浮かべておきました。


そうしているうちに、空が暗くなり、雨が降ってきました。
海の上では雨雲がはっきりわかります。
まだ小雨のうちに、夫を船上に上げて、椅子に座らせたところで、叩きつけるようなスコールがきました。

椅子の上方には、ちょっとした庇があったのですが、とても間に合いません。
船の人達はてきぱきと動いて、ブルーシートを庇にとりつけ、片方を持って、夫をスコールから守ってくれました。
私もブルーシートの一端を持っていましたが、雨が顔に当たって、イタイっ!!(笑
でも、気持ちの良いシャワーでした。
とりあえず、夫を、南の海に入れてあげられた~。
夫も、海に入っているというのをわかってくれたみたいと思うと、ふぅ~よかった~と思いました。

後からHさんが冗談まじりに、「海に入ったとき、すぐインフレーターホースを掴んだんですよね。そのまま潜降しちゃったら、どうしようって思いましたよ」と言って、みんなで大笑いしました。
夫は海を覚えていました。
インフレーターホースの存在すら忘れていた私より、ずっと覚えていたかも。(笑

フルフェイスに空気が流れてくるように調整したけど、流量が多すぎたようだということで、翌日は、もう少し流量を絞って再度トライすることになりました。


スコールの後、雨が上がりました。
帰り道もずっと後部デッキの椅子に座って帰りました。
ホテルに帰って、お風呂に入り、さっぱりしました。
夕食までのひととき、部屋でのんびり夕日を眺めました。

夕日

きれいな夕焼けでした。
明日は晴れてくれるかな。







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