海への初日。
予報通り、曇り空で時折小雨がぱらつくお天気でした..。
ただ風は強くないので、なんとかなるかな。

目覚ましをかけて6時半に起き、夫をシャワーで洗って支度をしました。
夫には海水パンツを履かせ、大きい尿取りパッドを宛がいました。
その上に、半ズボン、Tシャツを着せました。
昔履いていたビーチサンダルを持って来ていたので履かせました。
意外と歩きやすそうでした。

それから朝食を食べに行きました。
何をするにしても、信じられない位時間がかかり、思うようにいきません。
それでも、なんとか約束の時刻、9時ロビーにてには間に合いました。

ロビーにはHさんと、Tさんが迎えに来てくれていました。
車高が高い車ですが、二人とも力持ちで難なく車に乗せてくれました。

ホテルから20分位のドライブで、宜野湾マリーナに着きました。
沢山のクルーザーが係留されていました。
Aさんが管理事務所のところまで迎えに来てくれていました。
幸い雨は降っていなかったので、夫を車いすに乗せ、ゆっくりと坂道を降りて行きました。


マリーナ


ゲートをくぐると、すぐ左に、海へ降りる桟橋がありました。
桟橋を進んで行くと、その先に、私たちが乗るクルーザーが停泊していました。



クルーザー
なかなか立派なクルーザーでした。
キャビンは広く冷房が効いていました。
キャビンの奥に、小さなキッチンと、シャワールームを兼ねたトイレがついていました。
シャワーは温水で、後部デッキにも、もう一つついていました。


クルーザーでは、Iさんが待っていてくれました。
桟橋は海面からわずかしか上がっていなくて、クルーザーの縁は相当上でした。
やっとまたいで乗り込める位でした。
どうするんだろうと思っていたら、HさんとAさんが夫を抱え上げてひょいと乗せてくれ、Iさんが受け取ってくれました。
やっぱり男の人って力ある~。


小雨が降ったり止んだりでしたので、私たちはキャビンにいることにしました。
いよいよ出航です。
目的地は宜野湾から南西に行ったところにある「チービシ環礁」です。
30分~40分位のクルージングです。
最初は海面も穏やかでほとんど揺れなかったのですが、外海へ出たあたりから揺れてきました。

キャビンでは、Tさんが一緒にいて、四方山話に花が咲いて楽しかったのですが、姉にとっては初めての体験できつかったのでしょう。
姉は船酔いしてしまいました。(>_<)
私もちょっときつかったです。
キャビンの中は、視界が開けず、ただ揺れるだけなので、酔い始めると治りません。
そうした中で夫は平気な顔をしていました。


チービシについて、一息ついた後、ダイビングの支度に取りかかりました。
レンタルのウェットスーツは、5,5㎜厚で、着込むのが大変でした。
ブーツに至っては一人で履けなくて、履かせてもらいました。(*v.v)。
姉も悪戦苦闘して、やっと着せてもらっていました。

まず姉の体験ダイビングからです。
このクルーザーにはトランサムデッキがついていました。
船尾についているデッキで、水面と同じ高さに平らな部分がありますので、そこに腰掛けて、重い器材を背負っていても楽に水中に入ることができます。

二人に付き添われて、姉は水に入っていきました。
と、思う間もなく上がってきてしまいました。
苦しくてうまく呼吸ができなかったらしいです。
レギュレーターを口にくわえて、息を吐けば自然と空気が吸えるのですが、天候、船酔いと悪条件が重なり、恐怖感がでて、うまく息を吐けなかった様子です。
今回の沖縄行きは、姉にもダイビングを楽しんでもらおうと期待していました。
結局、姉はスキューバダイビングをすることができませんでした。残念です。

次は私の番です。
私にとって、十数年ぶりのダイビングです。
インフレーターホースのどこを押せば空気を排出できるのかすら忘れていました!Σ( ̄□ ̄) 

  *インフレーターホース=ジャケット型BC(浮力調整装置)についているホース

海面でもたつきましたが、なんとか潜降を開始することができました。
ここは、水深15メートル位の深さで、小さな魚しかいません。
お天気が悪く、海も暗かったし、チェックダイブが目的だったので、早々に切り上げて上がりました。


その間、夫はキャビンに座って待っていました。
後から考えると、デッキの椅子に座らせておいた方がよかったかもしれません。
デッキには折りたたみ式のディレクターズチェアがありました。

現地に着くまではなんともなかったのに、停泊している間の揺れがよくなかったのか、夫は座ったまま吐いていました。
幸い、吐いた量も多くなく、吐いた後はケロッとしていて、顔色も悪くありませんでした。

でも、大事をとって、ダイビングは中止することにしました。


実は、今回の沖縄旅行、主治医にだけは言ってありません。
主治医には4年前の与論島、去年の湯治旅行、ことごとく反対されました。

与論島の時は、環境を変えると、症状が一気に進むと脅かされました。
湯治旅行の時は、もしも、てんかん発作が起きたら、周りの人にとんでもない迷惑をかけるとまで言われました。
それでも私は連れて行きました。
症状は進まず、逆に少しだけ前に戻ってくれたし、てんかん発作は起こさず、むしろヨロヨロしていた足取りが少しだけ確かになったし、この二つの旅行は結果オーライでした。

さすがに今回の沖縄旅行は、主治医に言うことができませんでした。
旅行そのものも、ダイビングも、既に夫にとっては無理なことだと承知していましたから。
主治医としては、そんな話を聞いたら、猛反対する以外方法はないわけです。
わかりきっていることを敢えて言って、主治医を困らせるつもりはありませんでした。

私にとってはたった一人のかけがえのない夫..。
このまま、家と、お泊まりデイで淡々と暮らせば、安全でしょう。
でも、いくら安全を願っても、症状は容赦なく進み、いずれは、食べることも息をすることも忘れてしまうのです。
あまりにも不憫で、やりきれない思いでいっぱいになります。
せめて、折角の機会、まだ少しだけでもわかるかもしれないうちに、大好きだった南の海に入れてあげよう、その結果、何かが起きても、それは全部受け止めようと、覚悟の上の旅行でした。


とはいえ、必要以上の危険を冒すつもりはありません。
体調が万全でないのに、海に入れるのは危ないと思いました。
そんなわけで、南の海、初日は不本意なまま終わりました。

夫は、帰りは、デッキの椅子に座り、ずっと海を眺めていました。
海の風を感じてくれたでしょうか。

ホテルに戻ってからも機嫌良く元気でした。
この日はレストランに隣接する半屋外でバーベキューを食べました。
夫は残さずいっぱい食べて、満足そうでした。





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