宿での一日は、朝5時半くらいから始まります。
久しく畳の上の布団で寝ていない私は、腰が痛くてたまりません。
ちょっと休憩を兼ねて、テレビをつけ、天気予報などをチェック。
6時になったら、夫を起こしに行きます。
レンタルの介護ベッドは、8畳と続き間の3畳に、来たときには既に設置してもらってありました。
3畳だと広さに余裕がないので、ベッドの片側は壁に押しつけられていました。
電動で背の部分を立ち上げても、腰を曲げずに突っ張ってしまうので、ずるずる足元の方に移動するだけでした。
また、脚を手前にベッドから出すときに、上半身もそれに伴ってベッドに直角になってしまうので、結局、背中は下に落ちてしまいました。
夫の上半身を起こしたままにしておくことができませんでした。
私は電動で起こすことをあきらめました。
やむなく、いつも通り、後ろ側から持ち上げて、上半身を起こしていました。
夫の体と壁の間の狭い隙間に座って、腕の力だけで起こしました。
時々、起こせないかもと思いました。
やっと起こして、ベッドから立ち上がらせ、8畳に置いてある椅子に連れてくるまでに、毎朝、私はへとへとになっていました。
幸いだったのは、この旅行中、一度もベッドを汚さなかったことです。
これはほんとに助かりました。
持参したティーバッグで紅茶を作り、フェルガードとはちみつを入れ、飲ませました。
それからお風呂に入るための支度をしました。バスタオルや着替えを手提げ袋に入れ、私は水着に着替えました。
大抵の場合、7時半に若主人が迎えに来てくれました。
若主人が来てくれると物事がスムーズに運びます。
椅子から立ち上がれなくても、抱え上げて立たせてくれます。
畳部屋から、部屋の入り口に出るところに小さな板の間があり、その先は、黒い玉砂利を床に埋め込んだ、たたきになっていました。
ここに夫を下ろすのが大変でした。
床の色や素材が変わると、高さを誤認するらしく、怖がって足を踏み出せなくなっていました。
たまたま廊下に、木のすのこが置いてありました。
なぜ置いてあったかは不明なのですが、それを拝借して、たたきの上に置きました。
板の間とほとんど段差がなくなり、色も近いので、夫は足を踏み出してくれました。
それからは待望のお風呂タイムです。
ゆったり湯船に浸かって、さっぱりとして、毎朝夫は上機嫌でした。
脱衣場で、体を拭いて服を着せる間、若主人は、夫の体を支えていてくれました。
そしてその後は、食事の部屋まで先に夫を連れて行ってくれました。
コップいっぱいの水を飲ませ、私が行くまで付き添っていてくれました。
私は大急ぎで身支度をし、一旦部屋に戻り、今度は食事セットを持って食事の部屋に向かいました。
食事セットの中身は、使い捨てエプロン、薬、黒胡椒のアロマパッチ、それとおにぎり作成セットです。
この旅館は以前は湯治客を受け入れていたそうですが、今はやっていなくて、私たちは、普通の宿泊客として泊まりました。
一泊二食なので、お昼はついていません。
近くに食堂も何も、全くないところでした。
車でなら食べにいけますが、もちろん車はありません。
そこで、サランラップ、梅干し、おかか、昆布、塩、海苔などを用意して行きました。
ごはんはおひつに食べきれないほどいっぱい入っているので、問題ありません。
ほぼ毎日、朝食の後、おにぎりを握りました。
夕方のお風呂も同じ流れで、5時頃若主人が迎えに来てくれ、お風呂から上がったらそのまま食事部屋に連れて行ってくれました。
部屋に戻ると大抵7時を過ぎていました。
しばらくくつろいだ後、またフェルガード入り紅茶を飲ませました。
それから、椅子に座らせたまま、口の中をきれいにしました。
8畳は庭に面していて、幅広の縁側がついていて、その端に洗面器がついていました。
旧式の小さな洗面器で、ここで歯を磨かせるのはとてもできませんでした。
洗面器と言うより、手洗い器といったものでした。
首にタオルを巻き、コップに水を入れてきて、ブラシに何もつけないで、歯をお掃除しました。
来る前に、歯磨きティッシュというものを見つけたので、それを持ってきていました。
丸いスポンジみたいなブラシで、あらまし汚れをとって、その後、そのティッシュで拭き取りました。
指に巻いてぬぐうのですが、開けた歯の間に差し込むと、時々ぎぃーっとかじられました。
その後は、おむつをつけて、パジャマに着替えさせました。
夕方のお風呂の後は、浴衣を着せていたので、着替えがとても楽でした。
大抵8時半頃には夫はベッドに入っていました。
夫を寝かせた後、私は、一人でゆっくりお風呂に入ってこようと思うのですが、疲れ切ってしまっていたし、一日2回入って、更にもう一回というのも面倒でした。
結局いつもそのまま、テレビをちょっとだけ見て、9時半には寝てしまっていました。
母がいてくれたとき、夫を見ていてもらって、一回だけ昼間、大浴場に入ってきました。
いいお湯で、他のお客さんがいない時間帯だったので、独占でした。
気持ちよかったです。
こうして宿での一日が終わりました。
久しく畳の上の布団で寝ていない私は、腰が痛くてたまりません。
ちょっと休憩を兼ねて、テレビをつけ、天気予報などをチェック。
6時になったら、夫を起こしに行きます。
レンタルの介護ベッドは、8畳と続き間の3畳に、来たときには既に設置してもらってありました。
3畳だと広さに余裕がないので、ベッドの片側は壁に押しつけられていました。
電動で背の部分を立ち上げても、腰を曲げずに突っ張ってしまうので、ずるずる足元の方に移動するだけでした。
また、脚を手前にベッドから出すときに、上半身もそれに伴ってベッドに直角になってしまうので、結局、背中は下に落ちてしまいました。
夫の上半身を起こしたままにしておくことができませんでした。
私は電動で起こすことをあきらめました。
やむなく、いつも通り、後ろ側から持ち上げて、上半身を起こしていました。
夫の体と壁の間の狭い隙間に座って、腕の力だけで起こしました。
時々、起こせないかもと思いました。
やっと起こして、ベッドから立ち上がらせ、8畳に置いてある椅子に連れてくるまでに、毎朝、私はへとへとになっていました。
幸いだったのは、この旅行中、一度もベッドを汚さなかったことです。
これはほんとに助かりました。
持参したティーバッグで紅茶を作り、フェルガードとはちみつを入れ、飲ませました。
それからお風呂に入るための支度をしました。バスタオルや着替えを手提げ袋に入れ、私は水着に着替えました。
大抵の場合、7時半に若主人が迎えに来てくれました。
若主人が来てくれると物事がスムーズに運びます。
椅子から立ち上がれなくても、抱え上げて立たせてくれます。
畳部屋から、部屋の入り口に出るところに小さな板の間があり、その先は、黒い玉砂利を床に埋め込んだ、たたきになっていました。
ここに夫を下ろすのが大変でした。
床の色や素材が変わると、高さを誤認するらしく、怖がって足を踏み出せなくなっていました。
たまたま廊下に、木のすのこが置いてありました。
なぜ置いてあったかは不明なのですが、それを拝借して、たたきの上に置きました。
板の間とほとんど段差がなくなり、色も近いので、夫は足を踏み出してくれました。
それからは待望のお風呂タイムです。
ゆったり湯船に浸かって、さっぱりとして、毎朝夫は上機嫌でした。
脱衣場で、体を拭いて服を着せる間、若主人は、夫の体を支えていてくれました。
そしてその後は、食事の部屋まで先に夫を連れて行ってくれました。
コップいっぱいの水を飲ませ、私が行くまで付き添っていてくれました。
私は大急ぎで身支度をし、一旦部屋に戻り、今度は食事セットを持って食事の部屋に向かいました。
食事セットの中身は、使い捨てエプロン、薬、黒胡椒のアロマパッチ、それとおにぎり作成セットです。
この旅館は以前は湯治客を受け入れていたそうですが、今はやっていなくて、私たちは、普通の宿泊客として泊まりました。
一泊二食なので、お昼はついていません。
近くに食堂も何も、全くないところでした。
車でなら食べにいけますが、もちろん車はありません。
そこで、サランラップ、梅干し、おかか、昆布、塩、海苔などを用意して行きました。
ごはんはおひつに食べきれないほどいっぱい入っているので、問題ありません。
ほぼ毎日、朝食の後、おにぎりを握りました。
夕方のお風呂も同じ流れで、5時頃若主人が迎えに来てくれ、お風呂から上がったらそのまま食事部屋に連れて行ってくれました。
部屋に戻ると大抵7時を過ぎていました。
しばらくくつろいだ後、またフェルガード入り紅茶を飲ませました。
それから、椅子に座らせたまま、口の中をきれいにしました。
8畳は庭に面していて、幅広の縁側がついていて、その端に洗面器がついていました。
旧式の小さな洗面器で、ここで歯を磨かせるのはとてもできませんでした。
洗面器と言うより、手洗い器といったものでした。
首にタオルを巻き、コップに水を入れてきて、ブラシに何もつけないで、歯をお掃除しました。
来る前に、歯磨きティッシュというものを見つけたので、それを持ってきていました。
丸いスポンジみたいなブラシで、あらまし汚れをとって、その後、そのティッシュで拭き取りました。
指に巻いてぬぐうのですが、開けた歯の間に差し込むと、時々ぎぃーっとかじられました。
その後は、おむつをつけて、パジャマに着替えさせました。
夕方のお風呂の後は、浴衣を着せていたので、着替えがとても楽でした。
大抵8時半頃には夫はベッドに入っていました。
夫を寝かせた後、私は、一人でゆっくりお風呂に入ってこようと思うのですが、疲れ切ってしまっていたし、一日2回入って、更にもう一回というのも面倒でした。
結局いつもそのまま、テレビをちょっとだけ見て、9時半には寝てしまっていました。
母がいてくれたとき、夫を見ていてもらって、一回だけ昼間、大浴場に入ってきました。
いいお湯で、他のお客さんがいない時間帯だったので、独占でした。
気持ちよかったです。
こうして宿での一日が終わりました。