『この手を離さない』



このタイトルの漫画が好きでした。


なんだか切なかったな。



あの当時、小学生だった私ですが、


主人公たちの年齢をとうに超えてしまいました。



あのころなりたかった私ってどんなものだったのかな。


無我夢中だったわけでもなく、


何も考えていないわけでもなく、



ただ、漠然と日々は過ぎて、大人になった。




何も手に入れていないと、虚しくなる瞬間もあるけれど、



でも、確実に何かを掴んできた。



そんな気がする。




これから、どう生きたいんだろう。



間違いなく言えるのは、「誰かを幸せにしたい」



そんな人生にしたい。




ともに生きていくと決めた主人も、主人の大切な人も、



私を愛し育ててくれた、大切な人たちも




幸せにしたい。





今夜、月が遠い。



かすかな明かりのもとで、なんとなく感傷的になるけれど、





本当は、こんなに遠くに来るつもりなかったんだよ。



ただ、この人だと思わせてくれる人が、ここにいただけ。




お母さん、ごめんね。



小さい頃から「遠くに行かないで」って言ってたのに。



お母さんの声が、聞こえてなかったわけじゃない。



悩んだよ。



今も、悩んでる。





でも、私が幸せになることが、一番だと思った。



ここには、幸せがあると思った。



私の見たことの無い幸せを、この人がくれると、思った。




だから



私は、ここへ来た。







ときどき泣きたくなる。



お母さんを寂しくさせてしまっていたらと思うと、



苦しくなる。





お母さん、ごめんね。



これから先、何回も泣くかもしれない。



後悔することがあるかもしれない。





でも、お母さんが背中を押してくれたから、



私は、このまま前へ進む。






お母さん、離れていても




「この手を離さない」