燃える翼をはためかせ
この大地から飛びたった
若き Fire bird・・・

思うがままに
世界を目指し
思うがままに
大空を舞う


より速く、より強く
そして、より正確に


スピードを増すにつれ
翼の炎は
酸素の供給を受け

さらに大きく
その有り様を見せつける

まるで
己れの力を誇示するかのように・・・



熱く燃える赤い翼は
背に映る青い空に比べ
真逆の色彩を放ち

圧倒的な美しさと
存在感を解き放っている・・・



それは
この世のものとは
到底、思えない程・・・

誰もが驚愕した



より高く
より美しく

舞い上がる翼



勢いを増し
さらに高度をあげる
若き火の鳥・・・


やがて
大気圏に突入する頃になって

翼の違和感に
気が付いた Fire bird



あれほど大きく
美しかった翼の面影は
微塵もなく

焼け爛れた翼では
飛ぶことすら
ままならない・・・


そう
ここには
酸素がないのだから・・・




あれから
数万年の月日がながれ


過去の遠い記憶は
現代に生きる肉体へと
繋がり、情熱を翻弄する・・・


「 Fire bird 」

その翼の炎は、消滅する事なく
燻り続け

酸素の供給をずっと
待ち続けている・・・


美しい炎の翼


必要なのは
たった
一息の酸素


ただ
それだけが

真実・・・




旅は
まだまだ続く・・・

果てしない
旅路