スペインにとって最大の問題は、なんといっても暑さと水不足(スペイン北西部を除く。)。カビに困ることはないものの、この暑さと水不足がブドウにとって大きなストレスを与えます。
今では灌漑が許可され、水不足問題は緩和されましたが、収量は少ないまま。(最適な管理が密度を抑えた株仕立てのブドウ栽培。ブドウの樹に最大限の水が行きわたることと、日光を遮って実が過度に熟さないようにするためです。)そんなスペインはブドウ栽培や醸造において、新しい技術を取り入れることで大きく飛躍しています![]()
それぞれの地域をみてみましょう![]()
まずは、リオハ。リオハは次の3地区にわけられています。
・リオハ・アラベサ・・・標高800m。降水量500mm。リオハで最も軽く最も精妙なワイン
・リオハ・アルタ・・・・・標高500-800m。降水量500mm。
・リオハ・バハ・・・・・・夏は暑く冬はかなり厳しい大陸性気候。降水量300mm。
リオハ・アラベサとリオハ・アルタの気候は似ていて、そこまで大陸性の気候が色濃くありません。リオハ・バハの方がより大陸性気候を呈し、干ばつが問題となります。
そして、リオハ・アラベサ、リオハ・アルタでは、テンプラニーリョとのブレンドに使われるグラシアノの栽培が増えつつあります。そして、テンプラニーリョが最も広く栽培されている土地です。
リオハ・バハはガルナッチャ・ティンタが主要で、アラベサやアルタに比べて、長期熟成に向かないワインを造っています。完熟したガルナッチャは、ボディとアルコール強度を与えることで、ボディとアルコール度数の赤ワインを造ることができます。
白ワインの中でも最も広く栽培されているのが、ビウラ。
伝統的なリオハの赤ワインは、熟成とブレンドによって定義され、ワインはリオハ地域の3地区全てからブレンドされ、バリックと呼ばれる古いオーク樽で長期間、酸化・熟成されることが多かったのです![]()
バリックも何年も再使用され、オーク香は少ないのですが、滑らかな骨格とテクスチャーを持った、果実味に欠けるワインが生産されていました。
しかし
時が経つにつれて、このリオハでも新しいスタイルが登場することになります。1970年代、昔のように長期熟成をせず、ワインのマセラシオン期間を長くし、新しいオーク樽のニュアンスを出したワインの登場です![]()
はっきりとした果実味、タンニン、ヴァニラ、クローブ、トースト香、燻煙など、オーク樽の特性がワインに漬けられます。そして、ブドウや栽培地に重きをおくようになり、単一品種のワインや、特定栽培地のワインを好む傾向がみられてくるのです。
更に、伝統的な白ワインは、アメリカンオーク樽で長期間熟成され、深い黄金色と塩味、ナッツのような芳しさを呈していましたが、現代ではこういったスタイルは倦厭され、ステンレスタンクで保存され、果実味のしっかりした白ワインが造られています。
リオハという、一つの地域を見ても色んなことがあったのがわかります。ワインは常に進化しているんですね。そして、時代によって求められるスタイルが変わるから、永遠に同じ造りではいられない。
こうやって数十年を振り返るだけで、結構面白いですね。