ギリシャは非常に山がちで、岩がちな土壌はたいていの場合養分が少なくて、多くは地中海性気候。
とはいえ、あったかぁ~いというイメージよりも、暑いですからね、ギリシャが抱える問題の一つは、東部の干ばつ。
最良のブドウ畑のほとんどは、灼熱から隔離された涼しい場所にあります。
山がちな畑にブドウ畑があるということは、機械が入りにくくて非常に手間がかかる労働集約型。ワイン造りに関しても昔ながらの伝統的な独特の方法を有していますが・・・他国同様ギリシャも現代的な機械や技術を採用することで、品質が向上しています。
新しい機械や技術が入ることは、すぐにでもできますが、すぐにはできないことがあり、、、それは、ギリシャの極度に乾燥した高温の気候に適しているブドウ達です
WSETの勉強をしていて、この土着ブドウの素晴らしさを本当に感じますね~。ニューワールドで新しい技術を取り入れて、素晴らしいワインを造ることもすごいことなのですが、自然というものは、少なくとも自然淘汰を繰り返していますから、土着のブドウはそこの環境に適応するために、ひたむきに生きのびてきたということです。
それも、気の遠くなるような時間をかけて。
もちろん、その全てが素晴らしい味わいではなさそうなのですが・・・。このギリシャでは、上質指定ワイン(OPAP)のほとんどが、原産種を必要とし、それらがギリシャ産の独特の特徴を備えたワインのほとんどを占めています。
まずは、ナウサOPAPから行きましょう
ナウサはギリシャ北部のマケドニア地方にあって、ブドウ畑は最高で標高400メートル近い高地に位置し、ギリシャの暑いイメージとは別に、とても涼しい場所です。
ここで、100%クシノマヴロから造られる赤ワインを指します。クシノマヴロはネッビオーロとよく比較されるようなのですが・・・ネッビオーロとも比較しながら飲んでみたいものです。
タンニンと酸が強く、長期熟成できるワインナウサに引き続き、ネメアOPAP。
ネメアはペロポネソスの北部にあって、100%アギオルギティコから赤造られる赤ワインを指します。ブドウ畑は、ナウサよりももっと標高の高い、230~900メートルの間に広がっています。
標高の低い場所で造られるとジャムっぽく、標高の高い場所では、酸味が高く、タンニンが粗いワインができます。ナウサ同様長期熟成可。
サントリーニOPAPは、エーゲ海に位置する風に吹きさらされた火山島。辛口と甘口の赤ワインと白ワインの両方に適用されますが、ブドウ品種として覚えておくのは、アシルティコこのアシルティコからの辛口、甘口の白ワインが有名です。
このサントリーニ島、光合成が止まるほど風が強くて(→どんな風だよ)、これによりブドウの成熟プロセスの速度が落ち、酸味が高いままとなります。
サントリーニの辛口白は、酸味、アルコール分共に高くて、濃密で香り高いのだとか。アシルティコ、飲んでみたいですね~。
そして、余談ですが、マンティニアOPAP。
ペロポネソスの中部に位置し、比較的涼しい標高600メートルの高原にあるワインは、使うブドウの85%がモスコフィーレロでなくてはいけません。
モスコフィーレロは、ミュスカとゲヴェルツトラミネール種に似た香りと濃厚さを持つワインだそうで・・・こちらも気になりますね。
ギリシャは、ソムリエ試験の時に、本当に覚えるのが苦手でたまらなかったのですが、改めて勉強し直すと、魅力の詰まった国なんだってことを実感しますね。
ちょっと知るだけで、飲んでみたいなって気持ちになりましたよ~。