ここからは、ブドウ栽培者になった気持ちで考えてみましょう。新しい土地が与えられ、そこでブドウを栽培し、ワインを造るときに考えることを想像してみるのです。
ちょっとやってみましょう。
ブドウ栽培者は、まず、ブドウを植える環境がブドウの樹の生長にとってどのような影響を与えるのかを考えます。平均気温や降水量、日照量、土壌の生産力、水はけの良しあし・・・こうして、そこに合いそうなブドウ品種を選択します。
また、よく成熟した果粒が多くするために、適切な植栽密度、剪定、ブドウ棚の選択を行います。
ここで、畑内での作業を、機械でするのか、あるいは手作業なのかによって、コストが違ってきます。そして、日本にはワイン法はありませんが、海外、特にEUでは、使用できるブドウ品種が法律で制限されている場合があるため、それをチェックする必要がありますね。
さて、植えたブドウの樹をどのような仕立てにするのも、重要な事項です。
この仕立てって、現実的に目にする機会が少ないので、結構覚えるのが大変。でも、試験には出ますよ。
絵と一緒に覚えてくださいね。教本では、垣根仕立て、棒仕立て、株仕立てについて書かれています。
絵を見て、どんな仕立て方なのかがわかること、とどこの地方でその仕立て方がされているのか、がわかる、程度でよろしいかと思います。
WSETでは、仕立てを大きく3つのグループに分けています。それは、
・株仕立て
・垣根仕立て
・大木仕立て
です。
まずは、株仕立て。
株は、頭部に短梢を多く残すように剪定された垂直の幹からなってます。小さな低木って感じです。
よくブドウ畑にワイヤーがはりめぐらされていたりするのですが、この株仕立ての場合はそれがなく、でてきた枝は、地面にどんどん垂れ下がって行く感じになります。
なので、じめじめした場所でこの仕立てをしてしまうと、葉が実の陰になってしまってそこで病原菌が発生してブドウの実がいたんでしまうこともあります。
乾燥していて、日あたりのよい地域で選択される方法です
ソムリエ教本に株仕立て(ゴブレ)って書いてあって、そのゴブレって何って思っていたのですが、わかりましたよ。
ボージョレ地区では、この株仕立ての樹の新梢を上部で束ねることがあるみたいで、それをゴブレっていうんだとか。へ~。
垣根仕立ては、色んなところで出てきますね。
長梢が1本のものが、ギヨー・サンプル、2本水平になってるのが、ギヨー・ドゥープル。
そして、垣根仕立てでコルドンってでてきますよね。
コルドンと書かれていないものは、主幹、つまり樹の部分から出てきている長梢を横へ、横へと水平に伸ばしていくのですが、コルドンは、太い枝(コルドン)が常にあって、そこからでてくる短梢を残すやり方です。
なーんと、ここで時間が来てしまいましたすみません。
朝の支度にとりかかりますので、続きはまた次回垣根仕立てから始めま~す。