ラングドック・ルーションは、地中海に臨むワイン生産地帯で、フランス最大のワイン生産地帯でもあります。ヴァン・ド・ペイの50%がここで生産されているんですよ。
ちなみに、生産量のほとんどは赤ワイン。
ラングドック地区では、発泡酒も造られていますが、すべて白。モーザックという変わった名前のブドウ品種が使われています。
AOCでは、リムーでこのモーザックを使った白ワイン、ブランケット・ド・リムーで瓶内二次発酵のスパークリングワインが造られています。
AOCをチェックするなら、他にラングドックを代表するロゼ産地、コルビエール、ミネルヴォワ、サン・シニアン、フォージェール。
しかし、ここでは、VDNやVdL、VDN Rancioも再確認してください。
ローヌでVDNの話をしましたが、
もう一度復習しますと・・・
VDN(Vin Doux Naturels ヴァン・ドゥー・ナチュレル)は、天然甘口ワインで、
ブドウ果汁の発酵中に、アルコールを添加し、発酵を停止させることで造られます。アルコールを添加して停止させることをミュタージュといいます。
ブドウ品種、醸造方法により、赤、白、ロゼがあり、この手のワインは、ほとんどがラングドック・ルーションでつくられています。
VdN(Vins de Liqueur ヴァン・ド・リケール)は、発酵前のブドウ果汁にアルコールを添加して、発酵を停止した上で、樽で熟成をしたもの。
酒精強化ワインと一緒ですね。
最後に、VDN Rancio ランシオは、故意に酸化させたVDN。太陽にさらした樽の中で、長期の熟成による一種の酸化作用の影響で、特有の色と風味をもつようになったワインを指します。
ラングドックのVDN、VdLはどれも白。ブドウはミュスカ。
ルーションにはVdNがない。
AOCにフロンティニャンとつくと、VDN、VdLの両方が認められている。
黒ブドウはおおよそグルナッシュが使われている。
バニュルス・グラン・クリュだけ、グルナッシュ75%以上使用で、30カ月の樽での熟成を必要とする、くらいでしょうか。
バニュルスの赤は、チョコレートに合うワインとしても有名です。
ソムリエ教本の中に、VDNやVdLをまとめた表がありますから、そこは一度目を通しておいてください。