たった一人の画家、カナダ君へ。



私はカナダ君の事をほとんど知らない。

好きな食べ物、好きな色、どんな時に喜ぶのか、悲しむのか、怒るのか。



私が知ってるカナダ君は

物腰が柔らかくフワフワしてるのは表面上で、頑固で意思が強く、男らしい。物事にあまり動じることがなく、意外と他人に興味が無い。でも一度認めた人には情が凄く深い。



だから分かってる。カナダ君が私の存在を拒否したあの時、既にカナダ君の人生に私は居なくて、でも私はカナダ君が私のことを想ってくれてると勝手に信じてた。いつかカナダ君から連絡がくると信じてた。巨匠になったら結婚してくれると、迎えに来ると信じてた。



でもカナダ君はずっと黙ってた。

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

黙ってた。



優しいカナダ君は、私を傷付けるのが嫌だったの?ハッキリと私に興味が無いと言うのは憚られたの?



私にはそれがとても卑怯に思えた。



カナダ君は、私に本音を言ってくれた事が殆ど無かったんだと今更思う。



だけど、カナダ君が私を想ってくれてたのは知ってる。

それに苦しんでいたのも分かってた。



貴方が私を想う気持ちに嘘は何も無かった。

あの時の貴方が恋しいです。

いつも私の心にカナダ君が居て、四六時中カナダ君の事を考えてた。



一時期貴方の居ない人生を歩もうと決心し、やっとカナダ君のいない道を探して当てたと思ってた。



だけど何故カナダ君はまた現れたのか。

それともあの道に知らずに戻ってしまったのか。



カナダ君はあの時のままで、私を想ってくれてるカナダ君のままで、でもそんな筈無いのに。



このまま幻想の中で生きてくのが一番幸せなんだろう。



カナダ君の身体に触れたかった。