矛盾の中の3つの関係性(まみい) | らぶとらいおん!のブログ

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2012年2月13日(月)*誕生
2012年6月09日(土)*襲名

コツコツのびのび!新しい靴を履き続けて行く私たち。

まみいです。

卒業論文のことで頭がいっぱいで(言い訳ですが、ガチです。。。)
ブログの更新が大幅に遅くなってしまいました。
申し訳ありませんでした!!

時は経ってしまいましたが、
11月21日(木)のまみいの卒論プレゼンを振り返っていきたいと思います。

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テーマ : フランス人権宣言が抱えた矛盾
テキスト : 西川長夫 『フランスの解体?:もう一つの国民国家論』 第2章から第3章

卒論プレゼンのテーマ
◇概念・理論の整理のため
◇女性と植民地、黒人奴隷のそれぞれの事例の関係性を捉える

問い
「普遍的な人権」を提唱したにも関わらず、なぜフランス国は人権の主体から黒人奴隷、植民地住人、そして女性を排除しまったのだろうか。人権の本質を捉え、それぞれの事例に対しての人権の適用の歴史をたどり、「過去の克服」について考察する。

対象事例
・ ハイチ革命(黒人奴隷の人権)
・ ベトナム独立宣言(植民地住民人権)
・ 女性の人権


1.要点確認

プレゼンの重要3つのキーワード
「フランス・イデオロギー」 / 「国民国家」 / 「文明」概念


★「フランス・イデオロギー」

「フランス・イデオロギー」=「人権の国」の文化による人類の教化を普遍的な任務と考えること 
(E・バリバール)
⇒ 支配された人びとへの同化の実践/個人や集団を差異化し階層化するという必要性

植民地化において
「白人の責務」や「文明の使命」として支配が肯定されていた

★「国民国家」


「フランス・イデオロギー」はフランスの国民国家を維持し支えてきた中心的なイデオロギー
  ↓
単に国内における国民統合のイデオロギーだけであるだけでなく、フランスのイメージ(文化、デモクラシー、科学技術、軍隊など)を他国に広めあるいは強制する(植民地化)イデオロギーとして機能した。
  ↓
人種差別を国民形態、あるいは国民統合イデオロギーの独自な形態と結びつける

★「文明」概念

18世紀の啓蒙主義は、キリスト教にかわる新しい文化理念を提供しました。
人類の歴史を進歩の相のもとにとらえ、万人が享受しうる普遍的な価値を想定する「文明」という概念は、フランスの国民的な文化が普遍的なものであるという確信に支えられていました。
そして、フランスの大革命のナショナリズムはこの「文明」概念に支えられていた
= フランス的国民(nation)意識と文明(civilisation)概念

※ ルナン『国民(nation)とは何か』(1882)
「健全な精神と熱い心を持った人々からなる大きな集団が、国民と呼ばれる道徳意識を創造します。この道徳意識が、共同体の利益のためのこの放棄が洋経する犠牲によってその力を証明する限り、国民は正統であり、存在する権利を持つのです。」

文明化した国は混血の進んだ国である
政治共同体が政治理念を実現している国が最先端である
  ↓
自国(フランス)の「文明」概念を肯定化した

「フランス・イデオロギー」によって、いまだ文明化されていない地域の植民地化を「使命」とみなし、同化をよきものとして強制した


2.人権の宣言

国民国家形成下の人権の主体になるための暗黙の条件

人権を享受するためには、人間が独自の道徳的判断を行使しうる別個の個人として認知されなければならなかった。これらの自立的な個人がそのような独自の道徳的判断に基礎をおく政治的共同体のメンバーとなるためには、他者に共感することができなければならなかった。
 ↓
道徳的に自律的である個人
“理性的に考えるための能力”と“自分で決定する為の自立”の二つの資質が必要
 ↓
子ども、女性、奴隷は道徳的自律性が不完全だとみなされていた

ある国のあらゆる住民は、女性もふくめて、自分の身体、財産、自由が保護される権利、つまり受動市民の権利をもっている。しかし、すべての住民が国事に直接参加する権利を持つ能動市民なのではない、とかれは主張したのだ。「すくなくとも現状における女性、子ども、外国人、つまり公的制度を維持するためになんら貢献していない人びと」は受動市民と定義されたのである。(エマニュエル=ジョゼフ・シエイシス)


3. ハイチを例にして(黒人奴隷/植民地)

ハイチ:植民地における革命を実現させ奴隷解放と最初の黒人による共和国を実現させた

◆ 1801年フランス領植民地サン=ドマング憲法
   「この領土においては奴隷は存在しえない。およそ奴隷というものは永久に廃止される。
   人はすべて自由かつフランス人として生れ、生存し、死ぬのである。」
 ⇒ 黒人はフランス人という資格において人権と自由・平等の権利を享受しうると述べる

◆ 1805年「ハイチの住民は肌の色にかかわりなく黒人と称される」
 ⇒ 黒人であることの価値を述べる

「人権宣言」が植民地黒人奴隷への適用を予定されていなかった
 1789.8.26  人権宣言の採択
  ↓ (4年半後)
 1794.2.4  黒人奴隷制の廃止を決議

人権宣言の採択から黒人奴隷制廃止まで4年半の月日が経っていることから、
「人権宣言」は論理的必然として、あるいは実際的な問題として
奴隷解放や植民地否定を含んでいたわけではないことが分かる

「人権宣言」の「人」や「市民」に黒人、女性が含まれていない
= 「人権宣言」における人の範囲は「文明化」の程度と国益によって決定されていた
  (文明概念にもとづく)

植民地問題では、「文明」と「国民」というフランス革命以来の共和国を構成する伝統的な二つの概念の交錯する地点で「人権」が問われている。

 ※ 植民地主義の理由(ジュール・フリー)
  1.経済的理由:植民地の建設が市場の創出になる
  2.人道的・文明的側面 ←文明概念
  3.政治的側面:ヨーロッパ列強間のフランスの優位を維持するため

宣言をする意味
アメリカとフランスのいずれのばあいも、宣言をおこなった人びとは、すでに存在していて、疑問の余地のない権利を確認しようとしていると主張した。しかしそうすることによって彼らは、主権における革命をなしとげ、まったく新しい統治の基礎をつくりだしたのだ。
⇒ 引用したハイチやベトナムにも当てはまる


4. 矛盾

「人権宣言」や、いくつかの憲法における「市民」(国民)概念の矛盾
1789年のいわゆる「人権宣言」は、正確には「人と市民の権利宣言」
⇒「人間」と「市民」の諸権利が矛盾し対立したものとして現れる。

「人間」:普遍的でインターナショナルな概念 =普遍主義
「市民」:限定的でナショナルな概念       =個別主義

オランプ・ド・グージュの抗議

 人間(homme)はフランス語で元々「男」を意味し、女性は「市民」に含まれなかった⇒「市民」の女性名詞は存在しない。

※一部、リン・ハント(松浦義弘訳)『人権を創造する』(岩波書店、2011年)を参考しています。

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授業の冒頭でばっち先生から
「相手の話(言葉、語り)を理解していることをまず示す」
というお話をしていただきました。
今回の私の卒論プレゼン反省は、まさにそのことに尽きるのではないかと思います。


◆権利から排除されている人はいるか?

<選挙権の話>

 例1)行政コスト削減のため選挙の投票所を減らした
   → 足の不自由な高齢者が選挙に行けなくなる

 例2)未来に生まれる有権者(胎児)に投票権はあるのか
   → 選挙(投票)の効果は将来に及ぶけど、生まれていない人間に選ぶ権利がない

 例3)少子高齢化で高齢者が多いけど、民主主義だから1人1票
   → 高齢者の意向が強く反映されてしまわないか

  形式的もしくわ分類的には権利の主体である。
  しかし、実質的に排除されていることがある。



◆過去の克服とは

過去
「普遍的な人権」を提唱したにも関わらず、なぜフランス国は人権の主体から黒人奴隷、植民地住人、そして女性を排除しまった

過去は克服されたのか?

今もまだ権利から実質的に除外されていることがある
過去は克服されたわけではない
(分類的に克服されている場合はあるが。。。)

しかし!文言は変わらずに存在し続ける

この憲法が国民に保障する自由および権利は、
国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。
(日本国憲法 第12条より)

現在は絶え間ない闘争の結果にもたらされている。
人権宣言もハイチ革命も女権宣言もひとつの闘争でしかない。
そして、闘争の末に未来がくる。

~~~~~~~~~
西川氏の主張
人権宣言やハイチ革命等の闘争の歴史は
「自動的に繋がっているわけではないが、決して新しいものではない」
  = アンビバレント(両価性)な関係性
~~~~~~~~~
私はこの部分が特に理解できていませんでした。

まず相手(著者)の言葉を理解すること、そしてそれを示すこと。
卒業論文提出まであと2週間(14日)です。
主体的に描くことができるよう、
本と論文と闘争していきたいと思います。

次に現れる頃には、卒業論文を書き終えていることでしょう。
では、まみいでした!!


テキスト
西川長夫『フランスの解体?:もう一つの国民国家論』(人文書院、1999年)
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b66514.html