今日も蝉がうるさい
結構都会の筈なのに何でこんなに…
ベッドから起き上がりぶつぶつ文句を言いながら開けっ放しだった窓を閉めクーラーを入れた
生暖かく埃っぽい風が顔をなでる
昼下がりの暑苦しい街並みを一瞥してからシャワーを浴びに洗面台へ
寝る前に髪をほどくのを忘れていた
最近ずっとシフト続きだったので帰ったら即ベッドが日課になっていたが二十歳過ぎの女性が寝る前に歯も磨かず化粧も落とさずスキンケアなんてもってのほか
世の男性諸君
女だって不潔に慣れるのだ
親しくはなりたくないけど、
てなわけで今日もシフト
まぁ、早い話がコンビニなんだけどね
当たり前だけどそれだけで生活してるわけじゃないわよ
夜のお仕事もたまに………ね?
あたしの通うコンビニは商店街の中にある
近くには高校も建っているので時間になると部活帰りの子たちで賑わいなんだか楽しい感じだ
店長の後藤さんもその高校の卒業生らしく、筋肉質で毛むくじゃらの腕を組み満面の笑みでその光景を眺めている
顔は厳つくてちょっと恐いけどとっても気さくで優しい良い人です
「お疲れ様でぇす」
「おぅ!お疲れさん、景子ちゃん今日はちょっと早いんじゃない?」
「いやぁ、店長に早く会いたくて」
「おいおい、おじさんをあんまりからかうんじゃないっ」
ちょっと照れてる
後藤さんは恥ずかしかったりうれしかったりするといつも顎の髭をいじるからすぐに分かる
そこがまた可愛いのだけど
店の奥に入りタイムカードを入れる
そしていつもどうり時間が過ぎる
過ぎるのだけど、ただ、どうしても気になることがあった
高校生が集まりだす二時間位前にいつもジャージ姿の男の子が一人、コンビニの向かいにあるお店で買い物をしている
年は17、8歳
毎日同じものをかっているみたいだ
あたしの経験から言ってあれは多分コロッケパン
だってあそこの店のコロッケパンはすごくおいしくてあたしもよく買いに行くんだもん
でも別段不思議なことはないのに何故か気になってしまう