『心の病』と言われたら。
あなたは、何を思うだろうか?



例えば、ひと口に『風邪』といっても、諸症状は、

微熱、鼻水、喉の痛み。

吐き気。下痢。頭痛。高熱。などなど。

心の病にも、いろいろな種類がある。

うつ病と神経症は、異なる。

両方を併発する場合も少なくない。

それぞれには更に種類があり、個々に症状は、少し違う。

過眠になる人もいれば、不眠になる人も。

体調不良を感じ、内科や耳鼻科に行っても、

「異常なし。疲れが溜まっているだけでしょう」と。



心の病の診断は難しい。

自分の症状や感情をうまく伝えられない。

「こんなこと言ったら、迷惑かもしれない…。おかしいと思われるかもしれない…。」と。

治療は少量の投薬治療から始まる。

まず聞かれることは「どうですか?」。

それに対して、体調が悪い、変わらない、辛いとだけしか言えない人も。

私は問いに対して答えることは出来るが、大事なことを言い忘れてしまうこともある。



私はまだ診断名はついていないが、おそらくいずれかの神経症。

うつ病と神経症では、ある設問に対しての回答が、違う。



発症のほとんどは、何かしらの強いストレスを、長期間受け続けたことが原因であるという。

この病になったことの無い人達には、理解は大変難しい。
理解は、ほぼ不可能だろう。

端から見たら、単なる甘えや怠けに見えるかもしれない。

詐病を疑ったりするかもしれない。

心の病に対する偏見を持たれたり、気を使わせてしまうのが申し訳なくて、

家族や友人に内緒にしている人もいる。

自分の親に『拒絶』されてしまう人もいる。



心の病になってしまった人に対して、決して言ってはいけない言葉がある。



叱咤激励のはずの、「頑張れ」



本人達は、すでに心の中で、精一杯頑張っている。

頑張っているのに、意思に反して、身体が勝手に拒否反応を。

「いつ治るのだろう?」と思い悩む。

それに対して励ますはずの「頑張れ」という言葉は。

「もっともっと、頑張らなくてはならないのか…」と、追い込むことに。

その言葉は、さらに病状を悪化させる。



人の目に見えない、病。
人によって、程度の差がかなりある。

気持ちの安定している時もある。
不調の時には、身体が動かなくなる。

中には、『不調』に囚われたままの人も…。

気持ちが意味もなく、そわそわと落ち着かない時、

昨日はちゃんと出来ていた事が、

今日はどういう方法で行ったらいいのか迷い、家の中でうろうろしてしまう。

好調時には「良くなった!」と、嬉しく思う。

だが、また不調がやってきて、「このまま一生治らないのでは…」と思ってしまう。

本人達には、強い葛藤がある。

外に出たい。
友達と遊びに行きたい。
美容院にも行きたい。
買い物にも行きたい。
働きたい。

特に家族を持つ男性にとっては、「自分が、働かなければ…」と。

何より、心の底から、笑いたい。



気分転換に出かけたはずなのに、急に不安と恐怖が襲ってくる。

今、倒れたり発作を起こしてしまったら、

他の人に迷惑をかけてしまうかもしれない。

何かをやりたくても、出来ない。

以前と違う自分。
出来なくなったことが、増えていく。

ただ自らを、恥じる。



心の病を持つ、ある男性が。
夏休み、子供達を夏祭りに連れて行った。

子供達に、夏休みの思い出を。

人ごみの中で発作を起こしかけて、人の少ないところで落ち着くまで、待機。

こんな自分が情けない、と…。



発作を起こした時、苦しさ以上に『恐怖』に襲われる。

身体が、心が、制御出来ない。

発作で死ぬことはないと、分かっているが、

このまま、死んでしまうのではないか、と。

ただひたすらに、発作が治まるのを、たったひとりで、耐える。



心の病になったことで。

友人を失ったり、職を失う人も少なくない。

自ら退職願いを出すならまだしも、遠まわしに解雇通告を受ける場合も。

私は発症から1カ月後、次の契約更新はされないと覚悟して、上司に打ち明けた。

遅刻・欠勤・早退で、仕事に影響が出てしまった。

それまでの間、上司に「心の病では?」と何度か聞かれた。

「風邪で胃腸が調子悪くて…」と答えると、

「ホント!?それなら良かったー!具合悪い時は、早退していいからね!」と。

私は社内用のメンタルサイトに頻繁にアクセスしていたので、

おそらく、何らかの知らせは来ていたのだと思う。



なったことのない人には、決して分からない見えない病。

誰にでも、心の病になる可能性がある。

「自分だけはならない」と思っていても。

心の病にならない可能性は、ゼロではない。